「ジェダイのローブ」現る? MWCで強烈な印象を残したコンセプト5選

David Lumb (CNET News) 翻訳校正: 編集部2025年03月08日 07時30分

 毎年、モバイル分野の最先端テクノロジーが集う「Mobile World Congress(MWC)」。2025年のMWCでも「モバイルテクノロジー」の概念を広げるユニークなガジェットが多数登場した。

太陽電池で覆われたジャケット 提供:Andrew Lanxon/CNET
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 会場では奇抜なスマートフォンをいくつも見かけたが、基本的な形状は相変わらず「平べったい長方形」だった。それに対して、スマートフォン以外のガジェットは実に多彩な姿をしていた。スマートリングからストリートウェア、ポケットサイズの小型プロジェクターまで、多岐にわたるカテゴリーの製品がMWCの会場を賑わせた。

 こうした風変わりなガジェットは、会場で見かけた多くのスマートフォンと同様に、必ずしも市場投入を前提とした試作品ではなく、新しい概念の実現可能性を探るコンセプトデバイスであることも多い。実際に販売にこぎつけるものもあるが、日の目を見ることなく消えていくものもある。それでも、こうしたガジェットはテクノロジーの可能性を広げ、人々が持ち運び、身につけることになる未来のガジェットの姿を垣間見る機会を与えてくれる。

 MWC2025で米CNETが注目したガジェットとコンセプトを紹介しよう。

  1. 太陽電池で覆われた「ジェダイのローブ」
  2. PCを操作できるレノボのスマートリング
  3. ポケットに収まる三つ折りプロジェクター
  4. スマホも充電できるHMDのイヤホンケース
  5. Googleとサムスンが共同開発するGemini搭載XRヘッドセット

太陽電池で覆われた「ジェダイのローブ」

太陽電池で覆われた上着 提供:Andrew Lanxon/CNET
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 モバイルアクセサリーを展開するAnkerは、バッテリーパックやイヤホンなど、身近な製品を幅広く手がける企業だ。しかし同社のポータブル電源ブランド「Anker Solix」がMWCで発表したのは、太陽電池で覆われたジャケットだった。未来から来たジェダイを思わせるこのジャケットには、デバイスを充電できるケーブルが付いている。

 ジャケットの袖や背中には縦長のソーラーパネルが並び、フードは青色LEDのライトでふちどられている。まるでゲーム「サイバーパンク2077」のキャラクターが身につけていそうなデザインだ。しかし、移動しながら30WのUSB-Cケーブルでデバイスを充電している時に周囲の目を気にする者がいるだろうか。われわれは未来人なのだ。

PCを操作できるレノボのスマートリング

提供:Katie Collins/CNET 提供:Katie Collins/CNET
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 スマートリング市場には、すでに「Oura Ring 4」やサムスンの「Galaxy Ring」など多くの製品が存在する。その大部分は健康やフィットネスに関するデータを収集し、記録することで、スマートウォッチの機能を補完するか、完全に置き換えることを目指すものだ。しかし、レノボが発表したAI搭載スマートリングは方向性が違う。このリングの用途は3D表示対応のノートPCを操作することだ。

 このコンセプトリングは、同じくレノボが発表したコンセプトノートPC「ThinkBook 3D Laptop Concept」と一緒に使う。このPCは指向性3Dバックライトを搭載し、2Dと3Dのコンテンツを同時に表示できる。このコンテンツを操作するために使うのがAI搭載スマートリングだ。人差し指につけたリングを親指でダブルタップすると「進む」、シングルタップすると「戻る」、さらにスワイプでさまざまな操作ができる。「Apple Watch Ultra 2」のダブルタップ機能のように、親指と人差し指をこすり合わせる動作も検知可能だ。

 米CNETのKatie Collins記者は、このリングを使ってティラノサウルスの3Dモデルを操作するデモを体験した。このデモは、ノートPCとアクセサリーの連携が生み出す新たな可能性を感じさせるものだった。しかし現時点では3DノートPCもリングもコンセプトの域を出ておらず、商品化はまだ先の話だ。

ポケットに収まる三つ折りプロジェクター

ZIP Tri-Fold Projector 提供:Tara Brown/CNET
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 映画やドラマ、ゲームを楽しむにはスマートフォンの画面は小さすぎる――そう感じた時、近くの白い壁にスマートフォンの画面を大きく映し出せたら便利だろう。これを可能にするのがAurzenの「ZIP Tri-Fold Projector」だ。このポケットサイズの小型プロジェクターは、サムスンの「Galaxy Z Flip6」やMotorolaの「razr」のようなクラムシェル型の折りたたみスマートフォンより少し大きい程度だが、1Wのスピーカーを2基搭載する。

 大きさは縦7.8cm、横8.4cm、厚さ2.6cmとコンパクトで、重さは280gだ。折りたたんだ姿は「ニンテンドーDS」を思わせるが、実は三つ折り構造になっており、2つのヒンジでレンズの高さや角度を自由に調整できる。HDMIドングルを使って最大80インチの映像を投影可能だ。解像度は最大720ピクセルなので、画面を最大限まで大きくすると少しぼやけて見えるかもしれない。Aurzenによれば、次のバージョンでは解像度を1080ピクセルまで引き上げる計画だという。

スマホも充電できるHMDのイヤホンケース

提供:Katie Collins/CNET 提供:Katie Collins/CNET
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 HMDが発表した「Amped Buds」は、未来的なデザインを除けば、それほど目新しさはない。しかし、特筆すべきはそのケースだ。手のひらサイズのメタルケースは1600mAhのバッテリーを内蔵し、リバースワイヤレス充電によってスマートフォンに電力を供給できる。参考までに1600mAhは「iPhone 16」を複数回フル充電できる容量だ。イヤホンケースとしては驚くほど大きいが、モバイルバッテリーを兼ねた実用的でスマートなアクセサリーになりそうだ。

Googleとサムスンが共同開発するGemini搭載XRヘッドセット

Project Moohan 提供:Tara Brown/CNET
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 2024年12月についに発表されたGoogleとサムスンが共同開発するハイエンドXRヘッドセットの実機が初展示された。「Project Moohan」というコードネームで呼ばれるこのVR/ARヘッドセットは、OS「Android XR」を搭載し、「Google Play」の標準アプリに加えて、GoogleのAIアシスタント「Gemini」に対応する。価格や発売日はもちろん、詳細なスペックもまだ不明だが、両社が初展示にゴーサインを出したということは、ある程度満足できるレベルに達しているということだろう。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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