「OPPO Find N5」は、折りたたみスマートフォンが長年目指してきたものを、少なくともデザインの観点からは達成したようだ。驚くほど薄く、閉じると普通のスマホのように感じられ、開けば広々としたほぼ折り目のない内側の画面で悠々と操作できる。
シンガポールで現地時間2月20日に発表されたOPPO Find N5は、「閉じると世界最薄のブック型折りたたみスマホ」とうたわれている。実際、閉じたときの厚さはわずか8.93mmで、「iPhone 16」よりわずかに厚い程度だ。開いた状態では4.21mmの厚さなので、ヘッドホンジャックはない。底面にUSB-Cポートを収められるギリギリの厚さしかなく、右側面の音量ボタンと電源ボタンも細い。価格は2499シンガポールドル(約28万円)。
他の折りたたみスマホと比較すると、Find N5はサムスンの「Galaxy Z Fold6」、Googleの「Pixel 9 Pro Fold」、シャオミの「MIX Fold 4」、さらにはHonorの「Magic V3」よりも薄い。Find N5は229gと驚くほど軽量で、Galaxy Z Fold6より10g軽い。
実際に手に取り、6.62インチのカバー画面を使用していると、本当に標準的なスマホのように感じられる。サイズと設計は折りたたまないフラットなスマホに匹敵し、自然に持つことができる。「iPhone 16 Pro Max」よりわずかに重いだけで、手にしているのが折りたたみスマホであることを時々忘れてしまうほどだ。カバー画面はリフレッシュレートが120Hz、ピーク輝度が2450ニトとなっている。
Find N5のディスプレイは、開くと8.12インチになる(参考までに、Galaxy Z Fold6の内側の画面は7.6インチ)。内側の画面も120Hzのリフレッシュレートで、ピーク輝度は2100ニト。反射防止フィルムを備えており、特にこのような大型ディスプレイでは役立つ。
個人的には、iPhoneやサムスンのGalaxy Sシリーズと比較して、Find N5のディスプレイの色はカバー画面と内部画面ともにやや控えめだと感じた。しかし、それは高い基準で見た場合の話であり、Find N5の全体的なディスプレイ品質に問題はない。明るい場所でも暗い場所でも画像は鮮明で、画面は見やすい。
カバー画面と内側の画面が大きくなったにもかかわらず、Find N5は開いた状態でも操作しやすい(私は手が大きいので、余計そのように感じるのかもしれない)。軽量な構造のおかげで、片手でも両手でも快適に持てる。
Find N5の特に印象的な特徴の1つは、内側の画面に目立つ折り目がないことだ。画面がオンのときはほとんど見えず、オフの場合でも非常にわずかだ。ヒンジはグレード5のチタン合金で作られており、折りたたんだときに不自然な隙間はない。本体の開閉はシームレスで、途中で引っかかることはない。
OPPOは、Find N5の全体的な耐久性も強調している。Find N5のフレームはアルミニウム合金で作られており、同社によれば、以前のモデルよりも強度が30%向上。ナノクリスタルガラス製のカバーディスプレイは、落下耐性が最大20%、引っかき傷耐性が10%向上している。
手に取ると、その薄さにもかかわらず、頑丈に感じられる。圧力をかけても曲がるような感覚はなく、ヒンジは安定している。内側の画面も壊れやすそうには見えず、耐久性を心配せずにタップできる。
Find N5には、コズミックブラックとミスティホワイトの2色がある。私が使用したデバイスは前者で、マットな背面が持つときに適度の抵抗を生み、エッジの滑らかなアルミニウムフレームとよく調和していた。
これほど薄いと、カメラモジュールの厚みで台無しになるのではないかと不安を覚えるが、幸いそのようなことはない。OPPOは、薄型を実現した努力を無駄にすることなく堅実な性能のカメラを提供するために、カメラシステム全体を調整したという。見ると、本体よりわずかに厚いモジュールに気づくだろうが、すべてのレンズを覆う1枚のガラスカバーのおかげで滑らかに感じられ、本体の背面からそれほど突き出てもいない。
Find N5は、50MPのメインカメラ、8MPの超広角カメラ、50MPのペリスコープ望遠カメラを搭載している。カバー画面と内側の画面の自撮りカメラはどちらも8MPだ。
カメラを簡単に試してみたが、色の鮮やかさとポートレートモードの精度に感銘を受けた(ただし、彩度の高い画像が嫌いな場合は、好みに合わないかもしれない)。全体的に鮮やかな色彩と夜間撮影の性能にもかかわらず、画像は例えばiPhoneで得られるものよりもシャープさに欠ける傾向があった。しかしその代わり、適度に滑らかなものになっている。
Find N5は60fpsで4K動画を撮影でき、映像も同様に鮮やかかつ滑らかだ。
Find N5は5600mAhのバッテリーを搭載しており、これはFind Nシリーズとしては過去最大だ。80Wの急速充電と50Wのワイヤレス充電に対応している。薄くするためにバッテリー容量が犠牲になっていないのは良いことだ。
OPPOは、Find N5が最大25時間の連続動画ストリーミングに耐えるとしている。私が3時間のストリーミングテストを行い、最大輝度のフルスクリーンモードでWi-Fi経由のYouTube動画再生をしたところ、バッテリーは100%から89%に低下した。これはかなり良い結果だ。充電テストでは、0%からフル充電まで1時間弱で完了した。
Find N5はQualcommの「Snapdragon 8 Elite」チップを搭載しており、OPPOによれば、CPU、GPU、AIパフォーマンスが40%以上向上している。実際、同プロセッサーは「Galaxy S25」シリーズや「OnePlus 13」など、他のスマホに注目すべきパフォーマンス向上をもたらしている。
Find N5は512GBのストレージと16GBのRAMを搭載している。
AI機能として、オンスクリーンの翻訳や、文書および通話の要約のほか、「AI Eraser」(AI消しゴム)や「AI Unblur」(AIぼやけ除去)などの写真編集機能がある。私が試したところ、AI Eraserはオブジェクトをうまく削除して背景を埋めてくれたが、AI Unblurはその名称が示すように最小限の働きしかせず、元の写真と修正後の写真にはわずかな違いしかなかった。それでも、このような実用的で多くの場合に役立つAI機能があるのは素晴らしいことだ。
Find N5は、GoogleのAIツール「Gemini」と、私のお気に入りのスマホ機能の1つである「かこって検索」も搭載している。これを使用すると、カバー画面または内側の画面に表示されたあらゆるものについて、簡単に情報を検索できる。
OPPO Find N5は、折りたたみスマホが必ずしも分厚くて扱いにくく、壊れやすいとは限らないことを示すものだ。頑丈でありながら軽量で、閉じているときは自然に持てるし、開いても操作しやすい。これまでのところ、薄型のデザインにもかかわらず、バッテリー容量はあまり影響を受けていないようで、超高速充電も非常に便利だ。
カメラは優秀だが、第一印象では、Appleやサムスンによるハイエンドのフラッグシップスマホには及ばない。それでも、昼でも夜でも十分に明るい写真を撮影でき、素晴らしい鮮やかな色を表現できる。
全体として、Find N5は、画面の折り目をほぼなくし、分厚いヒンジや扱いにくい前面ディスプレイなど、折りたたみスマホにありがちな欠点を克服している。折りたたみスマホがずっと目指してきたような、洗練され、直感的で魅力的な折りたたみスマホとなっている。
OPPO Find N5この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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