Appleの「AirTag」は人気のBluetoothトラッカーだ。「iPhone」ユーザーにとっては、行方不明の鍵からスーツケースまで、あらゆるものを見つけるための便利なツールとなっている。小さくて、技術的にもシンプルな製品に思えるが、機能性と信頼性の高さから人気を集めるに至った。そして現在のモデルを改良した新モデル、「AirTag 2」(仮称)が数カ月以内に発売される可能性があるという。
現在販売されているAirTagは2021年に発売された初代モデルだ。Bluetoothや超広帯域(UWB)無線通信、そしてAppleの巨大な「探す」ネットワークに対応した信頼性の高いトラッカーとして、今も人気が高い。しかしうわさによると、2025年半ばに新世代のAirTagが発売される可能性があり、春の「iPad」発表イベントか、6月のAppleの年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」で正式に発表されるとみられている。
ここ数カ月、AirTag 2の新機能に関するうわさが飛び交っている。Appleが正式に認めた情報はないが、AirTag 2に搭載される可能性が高い新機能をまとめた。
筆者を含めて、AirTagユーザーは新モデルに大きな期待を寄せているが、一部の要望はAirTag 2での実装が見送られる可能性が高い。もちろん、Appleがサプライズを用意している可能性はある。
2025年半ばとみられている。
AppleがAirTagの新モデルを開発しているといううわさは2022年6月には出ていたが、初代モデルを需要以上に生産してしまい、新モデルのリリースが延期されたと言われていた。報道によれば、初代AirTagの在庫がだぶついており、新モデルの発売前にさばく必要があったという。
2025年に新モデルが出るといううわさを裏付けるように、Appleはこの1カ月間、米国で初代AirTagのセールを開催し、かつてない値引率で販売している。在庫分を売り切り、新モデルの登場に備えているのかもしれない。
UWB無線通信は、消費電力が少なく、高精度の位置測位が可能な無線通信プロトコルだ。この短距離通信技術は、500MHz以上の広い周波数帯域でデータを送信するため「超広帯域」と呼ばれ、他の通信との干渉性が低い。
UWBはデバイスの位置を、条件がよければ数インチ(1インチは約2.5cm)の誤差で特定でき、BluetoothやGPSよりも位置測位の精度が高い。AirTagの場合は数フィートから数インチ(1フィートは約30.5cm)の誤差で正確に場所を特定できる。この技術はAirTagのようなトラッカーだけでなく、スマートフォンや一部の自動車のキー、拡張現実(AR)、最近ではスマートロックなどにも使われている。
Appleの「探す」ネットワークは、世界中のiPhoneやその他のApple製デバイスを利用したクラウドソース型の位置追跡ネットワークだ。AirTagやAirPodsといった紛失物が発しているBluetooth信号を、その近くにあるApple製デバイスを使って検出し、Appleのサーバーに位置情報を送る。
紛失したデバイスの持ち主は、そのデバイスが今どこにあるのかをAppleの「探す」アプリの地図上で確認できる。デバイスの場所が、持ち主の現在地から数マイル(1マイルは約1.6km)、さらには数カ国離れていても追跡は可能だ。そのエリアにあるiPhoneの数が多ければ多いほど、「探す」ネットワークは強力になる。
本人がAirTagやAirPodsをなくしたことに一日気づかなかったとしても、なくしたデバイスの近くに誰かのiPhoneがあれば、そのiPhoneの持ち主が気づかないうちに、なくしたデバイスの位置情報が更新される。Appleの「探す」に対応しているデバイスが見つからないとすれば、そのデバイスの近くにiPhoneが1台もないか、そのデバイスがオフラインになったあと、別の場所に移動したかのいずれかだ。
Appleこの記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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