アップルの「AirTag 2」発売はいつ? 初代との違いは--噂まとめ

Maria Diaz (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2025年02月13日 07時30分

 Appleの「AirTag」は人気のBluetoothトラッカーだ。「iPhone」ユーザーにとっては、行方不明の鍵からスーツケースまで、あらゆるものを見つけるための便利なツールとなっている。小さくて、技術的にもシンプルな製品に思えるが、機能性と信頼性の高さから人気を集めるに至った。そして現在のモデルを改良した新モデル、「AirTag 2」(仮称)が数カ月以内に発売される可能性があるという。

箱の上に置かれたAirTag 提供:Maria Diaz/ZDNET
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 現在販売されているAirTagは2021年に発売された初代モデルだ。Bluetoothや超広帯域(UWB)無線通信、そしてAppleの巨大な「探す」ネットワークに対応した信頼性の高いトラッカーとして、今も人気が高い。しかしうわさによると、2025年半ばに新世代のAirTagが発売される可能性があり、春の「iPad」発表イベントか、6月のAppleの年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」で正式に発表されるとみられている。

  1. AirTag 2に搭載されそうな新機能
  2. 見送られそうな要素
  3. AirTag 2はいつ発売される?
  4. UWB無線通信とは?
  5. Appleの「探す」ネットワークの仕組みは?

AirTag 2に搭載されそうな新機能

 ここ数カ月、AirTag 2の新機能に関するうわさが飛び交っている。Appleが正式に認めた情報はないが、AirTag 2に搭載される可能性が高い新機能をまとめた。

  • 追跡範囲の拡大:AirTag 2には、「iPhone 15」と「Apple Watch Ultra 2」に搭載された最新のUWBチップが搭載される可能性が高い。実現すれば、一部のiPhoneに搭載された「正確な場所を見つける」機能で現在の最大3倍、つまり最大約90mの範囲を追跡できるようになる。初代AirTagでは、最大でも約30mほどだ。
  • セキュリティとストーカー対策の強化:初代AirTagは小さくて目立たない上に、正確な位置を把握できることから、ストーカー行為に悪用されるケースが相次いだ。これを防ぐため、AppleはAppleユーザーとAndroidユーザーの両方を対象に、自分と一緒に移動しているAirTagが検知された場合、継続的にアラートを発信するといった変更を加えた。AirTag 2は、初代モデルよりも内蔵スピーカーが取り外しにくくなるとみられている。このスピーカーにより、AirTagが所有者から離れて常に自分の近くにある場合、音を鳴らして知らせることができる。
  • Apple「Vision Pro」との連携: AirTag 2には、落とし物の追跡以上の機能が搭載されるかもしれない。うわさでは、UWB機能を使ったモーショントラッキングにより、Vision Proの空間コンピューティングにAirTag 2が重要な役割を果たす可能性があるという。ただし、この機能はAirTag 2の発売後すぐに利用できるとは限らない。ファームウェアのアップデートによって、後から利用できるようになる可能性もある。

見送られそうな要素

 筆者を含めて、AirTagユーザーは新モデルに大きな期待を寄せているが、一部の要望はAirTag 2での実装が見送られる可能性が高い。もちろん、Appleがサプライズを用意している可能性はある。

  • デザインの刷新:初代AirTagについては、別途アクセサリーを使わなくても簡単に取り付けられるようにしてほしいという要望が多い。丸くて厚みがあり、キーチェーンやヒモを取り付ける穴がないため、鍵に付けるためのアクセサリーや、入れておくための財布が必要だ。丸いコイン型のデザインはAirTag 2でも維持され、大幅な変更はないとみられている。既存のアクセサリーをそのまま使えるというメリットはあるが、個人的にはなんとか穴を追加してほしい。そうすれば利便性は大いに高まるはずだ。
  • MagSafe充電への対応:AirTagは交換可能なCR2032電池を内蔵しており、寿命は最長1年ほどだ。充電式バッテリーやMagSafeへの対応を望む声もあるが、Appleは交換可能な電池の利用を続けるだろう。初代モデルをそのまま充電式バッテリーに変更した場合、AirTag自体の価格が上がったり、頻繁な充電が必要になったり、AirTagのサイズが大きくなったりする可能性がある。

AirTag 2はいつ発売される?

 2025年半ばとみられている。

 AppleがAirTagの新モデルを開発しているといううわさは2022年6月には出ていたが、初代モデルを需要以上に生産してしまい、新モデルのリリースが延期されたと言われていた。報道によれば、初代AirTagの在庫がだぶついており、新モデルの発売前にさばく必要があったという。

 2025年に新モデルが出るといううわさを裏付けるように、Appleはこの1カ月間、米国で初代AirTagのセールを開催し、かつてない値引率で販売している。在庫分を売り切り、新モデルの登場に備えているのかもしれない。

UWB無線通信とは?

 UWB無線通信は、消費電力が少なく、高精度の位置測位が可能な無線通信プロトコルだ。この短距離通信技術は、500MHz以上の広い周波数帯域でデータを送信するため「超広帯域」と呼ばれ、他の通信との干渉性が低い。

 UWBはデバイスの位置を、条件がよければ数インチ(1インチは約2.5cm)の誤差で特定でき、BluetoothやGPSよりも位置測位の精度が高い。AirTagの場合は数フィートから数インチ(1フィートは約30.5cm)の誤差で正確に場所を特定できる。この技術はAirTagのようなトラッカーだけでなく、スマートフォンや一部の自動車のキー、拡張現実(AR)、最近ではスマートロックなどにも使われている。

Appleの「探す」ネットワークの仕組みは?

 Appleの「探す」ネットワークは、世界中のiPhoneやその他のApple製デバイスを利用したクラウドソース型の位置追跡ネットワークだ。AirTagやAirPodsといった紛失物が発しているBluetooth信号を、その近くにあるApple製デバイスを使って検出し、Appleのサーバーに位置情報を送る。

 紛失したデバイスの持ち主は、そのデバイスが今どこにあるのかをAppleの「探す」アプリの地図上で確認できる。デバイスの場所が、持ち主の現在地から数マイル(1マイルは約1.6km)、さらには数カ国離れていても追跡は可能だ。そのエリアにあるiPhoneの数が多ければ多いほど、「探す」ネットワークは強力になる。

 本人がAirTagやAirPodsをなくしたことに一日気づかなかったとしても、なくしたデバイスの近くに誰かのiPhoneがあれば、そのiPhoneの持ち主が気づかないうちに、なくしたデバイスの位置情報が更新される。Appleの「探す」に対応しているデバイスが見つからないとすれば、そのデバイスの近くにiPhoneが1台もないか、そのデバイスがオフラインになったあと、別の場所に移動したかのいずれかだ。

Apple

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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