ここ数年、Amazonの「Kindle」のようなE Ink(電子ペーパー)リーダーから「ReMarkable 2」まで、さまざまなE Ink端末を使ってレビューしてきた。
どれも特徴は異なるが、共通点は機能制限があることだ。私は電子書籍だけでなく、ブログやネット記事を読むのも好きなので、KindleやReMarkable 2のシンプルさは魅力的だが、同時にそれが弱点でもある。どちらも「最新スマホ並みにアプリを使う」といったことは難しい。そこで役立つのが「Onyx Boox Page」だ。
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Onyx Boox Pageは7インチのE Inkディスプレイとデュアルトーンのフロントライトを搭載し、電子書籍や記事、ウェブページなどを快適に読める。
私がBoox Pageを気に入った理由は、何よりもAndroidが動くことだ。OS自体は簡易版だが、E Inkリーダーの機能を程よく拡張してくれる。たとえば、本やブログを読んでいるときにふと思いついたことを、Google KeepやDocsにメモしておき、あとでスマホやパソコンで調べる、という使い方ができる。
もちろん、KindleやReMarkable 2のような「読書や筆記に集中できる環境」が欲しい人もいるだろう。ただ、必要なときにAndroidアプリを使える端末はやはり生産性が高い。アプリや機能が不要なら、それらを「オマケのようなもの」として割り切って使ってもいいと思う。
Androidを搭載しているとはいえ、YouTubeやInstagram、X(旧Twitter)などが快適に使えるわけではない。The VergeのDavid Pierce氏がBoox Palmaのレビューで指摘していたように、E Inkのリフレッシュレートの遅さもあって動画視聴やSNSの連続使用には向かない。
私も以前、「Boox Tab Ultra C」でYouTubeを視聴してみたが、動画再生にはあまり適していなかった。そのため、InstagramやYouTubeのショート動画を延々と見続けるような使い方とは無縁になる。
筆者はこの端末に「Kindle」「Flipboard」「Chrome」アプリだけを入れている。本やオンライン記事を読むのはKindleとFlipboard、調べものやアイデア出しはChromeという使い分けだ。個人的には、これくらいがちょうどいいバランスだと思う。
Boox Pageには手帳型のカバーが付属しており、本体をしっかり保護してくれる。ただしマグネットが強めなので、カバーを裏返すときは少し力が要る。
また、ユーザーインターフェースのカスタマイズ性も高い。右側のベゼルにある2つのボタンは、音量ボタンによるページ送りなど様々な機能を割り当てられるし、スワイプ操作や画面リフレッシュの設定なども簡単に調整できる。アプリごとにリフレッシュレートを変えられるのは便利だ。
さらに、画面上部から右下にスワイプすると「コントロールセンター」が開き、Wi-FiやBluetoothなどをオン・オフできるのも、スマホや最新のタブレットに近い操作感だ。
独自の「Library」や「Store」アプリもプリインストールされていて、無料の電子書籍をダウンロードできる。Kindleのように自社ストアに縛られず、他の電子書籍アプリを入れたり、PCに接続して電子書籍やオーディオブックを直接転送(サイドロード)したりも可能だ。Bluetoothイヤホンと組み合わせればオーディオブックも楽しめる。
ディスプレイは7インチのE Inkで、反射防止コーティングが施されていて読みやすい。ウェブサイトによっては横向きにすると文字が広がって見やすくなるし、解像度も十分に高いので不満はない。ただし、Kindle Oasisなどにあるような、周囲の明るさに応じてライトの色温度を自動調整する機能はない。
バッテリーは「1日1時間の読書で最大6週間持続」とされている。実際にKindleアプリやChromeを使いながら試した結果、2週間ほどは充電なしで使えた。ストレージ容量は32GBで、4か月使った時点でも20GBほどしか使っていない。万が一不足しても、microSDカードで拡張できるのはありがたい。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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