筆者が目にしてきたディスプレイには、曲がるものやスライドするものなどがあるが、伸びるものはなかった。テクノロジー見本市「CES 2025」でSamsung Displayのブースを訪れるまでは。
これは輪ゴムのように引っ張って伸ばせるディスプレイではなく、中央が膨らみ、ドームのような形になる。まだコンセプト段階であり、最終的に商品になるかは不明だ。
それでも、将来的にウェアラブル端末や車載インフォテインメントシステムに採用される可能性を示唆するものではある。
同社は、伸縮可能なディスプレイで2つの例を示した。1つはラスベガスの会場「Sphere」の様子を映し、もう1つはサメがこちらに向かって泳いでくる様子を、あたかもガラスを突き破って今にも飛び込んできそうなアニメーションで映し出した。
一見しただけでは3D効果は分かりにくかった。しかし近づいてみると、Sphereが少し突き出ており、他では実現できないような奥行きを作り出していることに気づく。サメの例では、ディスプレイの動きによって映像がよりドラマチックに見えた。ディスプレイの動きは側面から見ると最も分かりやすく、膨らんだ形がはっきり見える。
ブースにいた担当者は、こうした技術がどのような場面で役立つ可能性があるかについて、ウェアラブル端末や車のダッシュボードなどを挙げた。車のナビゲーションシステムに3Dマップを搭載したり、スマートウォッチにインタラクティブな3Dのウォッチフェイスを搭載したりすることを想像してみてほしい。デモを見る限り、この技術はとりわけアニメーションやユーザーインターフェースの視覚効果に適しているように思える。
この技術が消費者向けデバイスに採用されれば、画面が伸縮可能であることによって耐久性の懸念が生じるかは気になるところだ。例えば、ディスプレイが膨らんだ状態では衝撃によって損傷しやすくなるのではないか。この技術が将来、自動車やスマートウォッチなどに採用されるとしたら、これは重要な問題だ。
「Galaxy Z Flip6」(価格をAmazonでチェック)
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」