トヨタ自動車は1月7日、堀江貴文氏が創業に関わったインターステラテクノロジズ(IST)に、傘下のウーブン・バイ・トヨタを通じて約70億円を出資すると明らかにした。トヨタ生産方式などの知見を提供し、ロケットの量産化を支援する。
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日本政府は宇宙戦略基金の基本方針で、2030年代前半までに国の基幹ロケットと民間ロケットをあわせた国内打ち上げ能力を年間30件程度確保することを目指している。
出資を受けるISTによると、上記を実現するためには、ロケットを「一点モノの生産」から「量産型のモノづくり」へ転換し、量産に耐えうるサプライチェーンへと国内宇宙産業の構造を変革することが欠かせないという。
そこで今回の提携では、ISTがトヨタ生産方式など自動車業界の知見やノウハウを取り入れ、ロケットを低コストで高品質、かつ量産可能なモノづくりへ転換していくことを目指す。
なお、同社は2020年からトヨタ自動車との人材交流を継続しており、これまでにIST側から累計11人がトヨタに出向している。こうした人材交流を発展させる形で今回の戦略的提携に踏み切った。
ISTで代表取締役CEOを務める稲川貴大氏は「ウーブン・バイ・トヨタは、当社がロケットを一点モノの生産から量産に耐えうるサプライチェーンへと昇華させ、『誰もが宇宙に手が届く未来』というビジョンを実現するためのベストパートナーであると考えている」と述べた。
インターステラテクノロジズは実業家の堀江貴文氏が創業に関わり、「ホリエモンロケット」としても知られている。2019年には観測ロケット「MOMO」の3号機を打ち上げ、日本の民間ロケットとして初めて宇宙空間に到達した。
同社は現在、人工衛星の打ち上げが可能な次世代ロケット「ZERO」を開発している。燃料には牛糞由来の液化メタンを用い、全長は32m。ペイロードは地球低軌道に800kg、太陽同期軌道に250kgを投入できる。
複数衛星の相乗りとなるため、細かな打ち上げ時期や軌道を指定できないSpaceXのロケットと異なり、小型衛星を行きたい軌道にタイムリーかつピンポイントで打ち上げるサービスを提供する。
また、SpaceXの超大型ロケット「Starship」対抗となる「DEXA」の概念設計も開始している。さらに、SpaceXの「Starlink」のように、超小型衛星群を用いて地上にブロードバンドを提供する「OurStars」事業にも取り組んでいる。
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