毎日の運動ノルマをこなすことにかけては、筆者はどんなフィットネスコーチよりも自分に厳しい。ちょっと疲労や痛みがあろうが、ストレッチやウォームアップをする時間がなかろうが、何が何でも運動は休みたくないタイプだ。
「Oura Ring 4」は349ドル(約5万3000円)と安くはない。さらにサブスクリプションに加入すれば毎月5.99ドル(日本では税込999円)かかる。しかし運動の継続にとらわれがちな筆者にとって、この指輪型健康トラッカーは運動を休む罪悪感を乗り越える助けになっている。Oura Ring 4は活動量から心拍数、ストレスレベルまで、幅広い指標を測定してくれるが、このリングが他のウェアラブル製品と一線を画す理由は、アプリ上での測定値の見せ方にあるというのが筆者の考えだ。
Ouraアプリは、休息がとれているかをスコアで示すだけでなく、スコアの意味を理解し、生かすためのアドバイスもくれる。つまり、単にデータを羅列するのではなく、データに基づいて何をすべきかを教えてくれる。「無理をしない」ことは、その1つだ。
Ouraの「コンディションスコア」は、もはや目新しい機能とは言えない。2015年にクラウドファンディングサービス「Kickstarter」で初代Oura Ringが発売されて以来、コンディションスコアはOuraアプリの定番機能となってきた。しかし、ウェアラブルデバイスが吐き出す大量のデータの意味を分かりやすく伝える努力をしているテクノロジー企業はOuraだけではない。例えば、Appleは「Apple Watch」に「トレーニングの負荷」機能を追加し、過去数日間の運動が身体に与えている影響をユーザーが把握できるようにした。サムスンの「エナジースコア」は、Ouraのコンディションスコアと似ており、さまざまな指標を分析して、その日の心身の状態を評価してくれる。
しかし単に傾向を示すだけでなく、自分の身体に関する有意義な情報を教えてくれるという意味では、筆者にとっては今もOuraの指標がナンバーワンだ。
Ouraのコンディションスコアは、睡眠、活動量、安静時心拍数、心拍変動、体温など、複数の要素をもとに休息が必要か、ジムに行く準備が整っているかを判断してくれる。疲れがたまっていて元気が出ない日はコンディションスコアも低く出るため、無理して走るよりも休もうという気持ちになれる。
例えば、少し前の土曜日はコンディションスコアがかなり低かった(100点満点で53点)。Ouraアプリはこの日、安静時心拍数が上がっているので、「楽しい休息をたっぷりとって」、リラックスした方がよいと教えてくれた。また、Ouraメンバーの傾向として、土曜日は安静時心拍数が上昇しやすいことも教えてくれた。この情報は、スコアに対する不安を和らげる効果があった。
Ouraアプリのいいところは、疲れている時にリラックスしようと呼びかけてくれることだけではない。10月上旬に微熱と喉の痛みがあった時は、体温の上昇を検知し、休養を優先するよう促してくれた。
しかし、Oura Ring 4も完璧ではない。価格は多くのスマートウォッチと同じくらい高い上に、大部分の機能は月額999円のサブスクリプションサービスに入らなければ利用できない。「アクティビティ自動検出」機能は屋内サイクリングなど、一部の運動を検出しない場合がある。また、リングの仕上げによって価格が異なる。
運動の追跡やパフォーマンスのモニタリングを重視しているなら、別の製品を選んだ方がいいかもしれない。しかし、十分な睡眠を取り、適切な量の運動ができているかを総合的に把握できる健康トラッカーが欲しいなら、Oura Ringは期待を裏切らないはずだ。
現在、Oura Ring 4はセール対象にはなっていないが、うれしいことに「Oura Ring第3世代」がセール中だ。公式サイトでは、Oura Ring第3世代の「Horizon」モデル(シルバー仕上げ)を通常価格よりも100ドル(約1万5000円)安い249ドル(約3万7000円)で購入できる。ローズゴールド仕上げの場合、通常価格は549ドル(約8万2000円)だが、現在は349ドル(約5万2000円)まで下がっている。
Oura Ring 4が出たばかりではあるが、最新の製品にこだわらないなら、第3世代はかなりお買い得だ。Oura Ring 4の方がデザインはスマートでセンサー技術も改良されているが、第3世代でも同じ機能と健康指標を利用できる。
スマートリング「RingConn Gen 1」(価格をAmazonでチェック)
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力