「人は話し方が9割」をはじめとする、タイトルに“9割”と入った書籍(以下、9割本)は、現在300冊以上出版されている。8月にはサントリーが「9割本」の多さに着目した広告を新宿駅に掲出し、「#9割がいっぱい」というハッシュタグでSNS上でも注目が集まっているようだ。
本の要約サービスflierが提供する3700冊超の要約の中にも「9割本」は多くある。本記事では、その中から特にビジネスパーソンに読んで欲しい9割本3冊を紹介する。
flierで要約が公開中の「9割本」の中で最も人気なのが、“令和で1番売れてる会話の本”というキャッチコピーでも知られる「人は話し方が9割」。
本書は、日本出版販売が発表するビジネス書ランキングにおいて、2020年年間、2021年上半期、2021年年間、2022年上半期、2022年年間、2023年上半期と、3.5年にわたって第1位を獲得。現在135万部を突破している大ベストセラーだ。
出版の世界においては、ベストセラーが1冊出ると、そのタイトルや切り口に影響を受けた書籍が次々に刊行される傾向がある。その点、本書は9割本の先駆けであり、代表格とも言える1冊だ。実際、今回のランキングを見ても、本書より刊行が早い書籍は1冊のみで、他の8冊は本書より後に刊行されている。
「人は話し方が9割」と言い切ってくれる本書は、これさえ読めばよさそうだという安心感を与えてくれる。上司や家族、友人などといった身近な人たちとのコミュニケーションを円滑にするコツが紹介されており、どんな立場の人にも大きな効果を発揮する、王道のコミュニケーション本である。
「9割本」は、「コミュニケーションスキルを上げたい」といった願望や悩みに対して、タイトルで明確な答えを提示している書籍が多く、そのわかりやすさから、書店で「自分のための本だ」と思って購入した人も多いはずだ。
「誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方」は、9割の人、つまり、ほとんどの人が気づいていない「お金を生み出す人」になる方法が紹介されている。
本書の著者、今井孝氏によると、お金を生み出せる人とそうでない人の違いは、才能やスキルの有無ではなく、「人間の欲求」「お金に関する正しい目標設定」「ゼロから大きなお金を作っていくステップ」「お金と満足感の関係」を学んで、「お金を受け取れる人」になれるかどうかだという。
9割の人が知らないことをマスターすれば、自分が1割の人になり、他の人と差をつけることができる。このように、「1割」を目指したい人の関心を引くために、「9割」という表現が用いられることもあるようだ。
重要なスキルを強調する「9割」、ほとんどの人が知らないことを表すための「9割」に続いて、メンタル本で多く見られるパターンが、「ほとんどの不安や悩みは、何とかなる」というメッセージを伝えるための「9割」だ。
「ストレスの9割はコントロールできる」は、ストレスを溜めないための考え方や行動習慣、心身を整えるコツなどを紹介している。例えば、ストレスを溜めないためには、相手に期待しすぎないことが大事。「してくれなかったこと」ではなく「してくれたこと」に意識を向けて、相手に感謝することを心がけるだけで、ストレスは減らせる。「想定外の出来事」や「他者」はコントロールできなくても、自分の心持ちはコントロールできるといったアドバイスだ。
「9割本」の多くは、その本のポイントやメッセージがタイトルからダイレクトに伝わる、王道のビジネス書や自己啓発書だ。伸ばしたい「9割」のスキルのために頑張ってもよし、「1割」の人間になるために頑張ってもよし。「9割本」は自分の歩むべき方向性を決める際にも役に立ってくれるだろう。
あなたはどんな「9割」に注目したいのかーー。ぜひ視野を少しだけ広げる助けとして、あらたな本を手に取ってもらいたい。
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