人を惹きつけてやまない天才たち。誰もが名前を聞いたことのある敏腕経営者たちは、ときに理解不能とも思えるほどの破天荒さを発揮し、周囲の批判をものともせず目標に向かって邁進していく。たとえ起業や経営層への出世を目標としていなくとも、カリスマ経営者たちのたどったマインドには学ぶところが多い。
今回は、読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」編集部が、時代の風雲児たる天才経営者の思考をたどる5冊を紹介する。大きな野心と、ビジネスを前進させる集中力はどこから来ているのか。書籍を手にとることで、カリスマのカリスマたるゆえんを知ることができるだろう。時間の取りやすい年末年始に、じっくり読むことをおすすめしたい。
最初に紹介するのは、異能の経営者として注目を集め続けるイーロン・マスク氏の初めての本格評伝である「イーロン・マスク 未来を創る男」だ。簡易決済企業「ペイパル」、電気自動車メーカー「テスラ」、宇宙開発企業「スペースX」の共同創業者であるイーロンは、2022年に米経済誌「Forbes」の長者番付で1位を獲得。「ツイッター」を買収し、「X(エックス)」へ名称変更したことも記憶に新しい。
本書では、イーロンがいじめにあっていた幼少期から、駆け出しの経営者としての苦悩の時代、ビジネスが軌道に乗るまでの軌跡を鮮やかに描き出す。われわれの想像を常に超え続けるイーロンの情熱に触れたい方には一読をおすすめしたい。
アップルを率いた稀代のカリスマ、スティーブ・ジョブズ氏。逝去してから2023年で12年が経つが、いまだにアップルといえばジョブズ氏を思い浮かべる人も少なくないだろう。ジョブズ氏の死の直後には、これでアップルは終わりなのではないかとさえ言われた。
ところが、実際のアップルはジョブズ亡き後に大きな成長を遂げている。2018年8月2日には時価総額1兆ドルを突破した、史上初の企業となり、2023年現在の米国時価総額ランキングでは1位。その偉業を成し遂げたのはティム・クック氏にほかならない。世界最強の企業について理解を深めたいと思ったら、「ティム・クック」は欠かせない1冊だ。
2021年7月、アマゾンCEOを退任したジェフ・ベゾス氏。自宅のガレージで起業したアマゾンにすべてを賭け、EC大手へ成長させただけでなく、買い物や読書の習慣そのものを大きく変えてしまった。日本でもその影響を感じずにはいられない。
「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」では、ベゾスの独特の経営手法を描き出す。数字を追い求める冷徹さと、顧客を第一に考えアマゾンを成長させようとする情熱。本書を読めば、ベゾス氏が快進撃を果たすことができた理由に得心がいくことだろう。
日本のカリスマ経営者といえば、パナソニックを一代で築きあげ、「経営の神様」と讃えられた松下幸之助氏の名がまず挙がる。経営者としての確かな手腕が評価されていたことはもちろん、PHP研究所や松下政経塾を設立し、多数の人材を輩出し、広く天下国家に尽くした人物としても知られる。
「道をひらく」は、松下幸之助がPHP研究所の機関誌「PHP」に寄せた短文をまとめた短編随想集である。1968年の発刊以来、累計553万部を超える脅威のロングセラーである。松下幸之助氏が自身の体験と深い洞察をもとに綴った本書は、やさしく読みやすい言葉を用いながらも、読む人の心を打つ力強さを持ち合わせている。普段は読書の習慣がない人にもおすすめしたい1冊だ。
高い理想を掲げ、圧倒的な行動力でソフトバンクを世界的な企業にまで押し上げた孫正義氏は、現代日本有数の経営者である。「孫正義 事業家の精神」は、作家の井上篤夫氏が30年以上にわたる取材を通して体感した、事業家孫正義氏の精神を伝えるべく記した1冊だ。
井上篤夫氏は、本書を起業家や起業家を志す人のために書くという明確な目標を持っていたという。 孫正義の生い立ちから現在までの軌跡をまとめた本書は、起業家の新たなバイブルといえよう。熱い思いに触れたくなったら、本書を手にとってもらいたい。
以上、天才経営者のすごさに触れる5冊を紹介してきた。気になる本が見つかったら、年末年始のおともにじっくりと読書を楽しんでいただきたい。
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