新年度が始まって早1カ月、新しい環境、仕事にもようやく慣れてきた頃だろうか。しかし大型連休で緊張感が緩み、疲れがどっと出てきてしまうこともあるだろう。
実際、毎年5月はメンタルの不調に悩む人が増える時期だ。連休が明けても調子が戻らず、仕事のパフォーマンスが下がったり、ひどい場合は出社できなくなったりするケースもある。
それを未然に防ぐためにも、本から知恵を拝借してはいかがだろうか。累計115万人のユーザーに活用されている本の要約サービス「flier(フライヤー)」では、これまで3500冊超の書籍を要約してきた。本記事では、その中から特にビジネスパーソンに読んで欲しいメンタル本5冊を紹介する。
「休んでも休んだ気がしない」「疲れが取れない」という人はいないだろうか。「休日に寝だめしたら余計に疲れてしまった……」と、途方に暮れることもあるかもしれない。「心療内科医が教える本当の休み方」では、現役の心療内科医が「本当に休む」ための適切な休み方を、医学の見地から教えてくれる。
本書によると「休む」ことは私たちが思う以上に難しく、高等技術が必要なのだという。上手に休むには、(1)休みが必要だと自覚する、(2)休める環境を確保する、(3)今の自分の状態に適切な休養活動を選択する、というプロセスが必要だ。
疲れは目に見えず、実感が伴わないこともある。「急に朝起き上がれなくなった」となる前に、本書を一読いただきたい。
すりむいたら消毒液をつけるように、心が風邪をひいたときも適切な手当てを施す必要がある――。本書は37カ国で刊行されている、世界的ベストセラーのメンタル本だ。著者のジェリー・スミス氏はSNSで300万以上のフォロワーを持つ心理学者・臨床心理士で、本書を「心の健康を育むためのツールボックス(道具箱)」と銘打っている。
気持ちが落ち込んだとき、体の中ではどんなことが起こっているのだろうか? 落ち込む原因は「それ」だけなのか? 心の傷を癒すにはどんなアクションを取ればいいのだろうか? 本書では、科学的エビデンスと経験から導いた「本当に効果のあるテクニック」を紹介する。
メンタルが不調な人もそうでない人も、いざというときの「救急箱」として常備しておきたい1冊だ。
職場の上司が不機嫌で、自分もネガティブな気分になってしまう。そんな状況にどう対処したらいいだろうか?
本書で勧めているのは「モニタリング」という方法だ。感情は状況に対するとっさの判断で引き起こされるが、間違いであることも少なくない。「上司が不機嫌で嫌だ」という感情は、過去の似たような経験がフックになっているかもしれない。感情を再評価したうえで心の平穏を取り戻し、次の行動につなげるのが「モニタリング」である。
本書ではさまざまな事例とともに、モニタリングのやり方が丁寧に記されている。ネガティブな感情に振り回されたくない人、毎日を穏やかに過ごしたいという人にうってつけの1冊だ。
パステルカラーとゆるかわいいイラストが満載で、眺めているだけでも心地よい。文字通り「読むだけでフワっと癒される本」がこちらである。
本書では、仕事、人間関係、キャリア、生き方など、私たちが日々直面する41の悩みやストレスと、その具体的な解決策を示している。「仕事を人に頼めない」「会社を辞めたいけどスキルがない」「人の目が気になってしまう」……。これだけでも思い当たる節はあるのではないだろうか。
著者は精神科医で「学びを結果に変える アウトプット大全」など数多くのベストセラーを持つ樺沢紫苑氏だ。「睡眠・運動・朝散歩」をはじめ、行動習慣にアプローチしてメンタルを整える樺沢メソッドは、「手軽にできる」「始めやすくて続けやすい」と人気が高い。
疲れて何もする気が起きない……という人は、まずは本書を開いてみてはいかがだろうか。
とかく忙しい現代人、仕事や雑事に追われて毎日が慌ただしく過ぎていく。そんな私たちに必要なのは、「整える」ことだ。本書では曹洞宗の住職である著者が、禅の教えを基にした、暮らしに取り入れやすい98の養生訓を紹介している。
中でも大事にしたいのは朝の時間だ。いつもより30分早く起きて、身支度や仕事の準備をしよう。時間に余裕があれば、掃除や座禅、運動をするのもおすすめだ。朝にはその日一日を決める力がある。
メンタルが落ちていると感じるなら、生活を見直し、不摂生を改めるところから始めてみてはいかがだろうか。身体や暮らしが整えば、メンタルも自然と整っていくはずだ。
以上、メンタルケアに役立つ5冊を紹介した。気になる本が見つかったらじっくり読んでいただきたい。
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