ソフトバンクは9月5日、写真や動画を3Dで楽しめる新サービス「トビデル」の提供を9月6日に開始すると発表した。対応スマートフォンに専用の保護ガラスを貼り付けるだけで、裸眼立体視が可能になる。
トビデルは、立体表示に対応しないスマートフォンに専用の保護ガラスを貼り付けることで、裸眼立体視を可能にするサービスだ。また、「トビデル」アプリ内のAI機能によって、普段撮り溜めている2Dの写真や動画を3Dで視聴することもできる。
さらに、iPhoneの「空間ビデオ」で撮影した動画なら、撮影した通りの奥行き情報での再生も可能だ。加えて、「なにわ男子」「ぽる塾」「ジェラードン」「EXILE」などの3Dコンテンツも用意している。
専用保護ガラスの価格は税込7200円。角度によって見え方が変わる「レンチキュラーレンズ」をガラス内に組み込んだことで裸眼立体視を実現している。また、通常の保護ガラスと同様の画面保護や防汚、防指紋機能も備えている。
対応機種は現時点で「iPhone 15 Pro」と「iPhone 15」のみ。順次、Androidを含めた多機種展開を予定する。専用保護ガラスはソフトバンク取扱店で購入できるが、ソフトバンク以外のスマートフォンでも利用できる。
なお、裸眼立体表示に対応したスマートフォンは一時期話題となったが、すぐに廃れてしまった経緯がある。なぜ今、スマートフォンでの3D表示に取り組むのか。
ソフトバンクによると「XR」と「AI」がキーワードだという。XRで3Dデータを提供する際に、「裸眼で見たい」というニーズが発生しているといい、そこに近年急速に発達したAIを組み合わせることで、よりクオリティの高いサービスを提供可能と判断したという。
筆者も実際にトビデルを試してみた。裸眼立体視をするには、スマートフォンにガラスを貼った後に、ユーザーの視覚特性に合わせてキャリブレーションをする必要がある。それを済ませてしまえば、トビデルのアプリに用意されたさまざま3D動画などのコンテンツを楽しめる。
特に、これまで撮り溜めてきた、3Dで撮影していない写真や動画を3Dで表示できるのは良いと感じた。特に子育て世帯などは子供の動画を3Dで楽しめるのはインパクトがありそうだ。また、3Dゴーグルを使わなくても、iPhone 15 Proで撮影した空間ビデオを立体的に視聴できるのも便利だ。
ただし課題も感じた。保護ガラスを貼るだけで裸眼立体視ができるのは手軽だが、保護ガラスを貼ると3D表示をしていなくてもディスプレイの解像感が明確に下がってしまう。これは、ガラス内にレンチキュラーレンズが組み込まれているためだが、手軽に3Dを楽しめるトレードオフとして、ディスプレイの画質が下がることは受け入れる必要がある。
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