本記事の要点
筆者は日ごろから両方の手首にスマートウォッチを装着しているが、このタイプのウェアラブルデバイスはどうしても邪魔になってしまうため、睡眠の追跡には最適とはいえない。スマートウォッチのほかに、「Ouraリング」(第3世代)も装着するようになって2年以上がたつ。Ouraリングはこれまでに、ソフトウェアとハードウェアの両面で、魅力的なアップデートがいくつかあった。
2023年初頭にIndiegogoで発売されたRingConnスマートリングが、誰でも購入できるようになった。筆者は3週間前から、RingConnスマートリング(カラーはMoonlit Silver、サイズは13号)を左手の人差し指に装着しており、今後、OuraリングとRingConnスマートリングのどちらを使い続けるべきかを決断しようとしている。なお、比較のために、この3週間、Ouraリングのブラッシュドチタンモデルも右手に装着している。
Moonlit Silverのカラーは、見た目としてはOuraリングとほぼ同じで、非常に魅力的だ。完全な円形ではなく、わずかに角張った形をしているが、一見しただけだと、ほとんどの人が円形だと思うだろう。筆者が着用している13号の重量は約5gで、内側には3D加速度計、4つの温度センサー、4つのPPG(光学式心拍)センサー、低電力のBluetoothモジュールがある。
RingConnスマートリングの通常価格は279ドル(約4万1000円)で、Moonlit Silver、Midnight Black、Pale Goldの3色で展開している。素材は軽量チタンで、どのカラーもマット仕上げとなっている。サイズは6~14号が用意されており、購入の際は、まずサイジングキットを送ってもらい、装着する指に最適なサイズを確認する。
IP68の防水性能を備えているので、ずっと着けっぱなしにしていても大丈夫だ。Ouraリングと同様、バッテリー持続時間は1週間だが、500mAhの充電器を搭載したポータブル充電ケースも付属しており、これを使用すると、最大150日間使用することができる。
Ouraリングの「Heritage」モデルの価格は299ドル(約4万4000円)からとなっているので、初期費用はRingConnもOuraリングもあまり変わらないかもしれない(ただし、RingConnスマートリングのMoonlit Silverによく似たOuraリング「Horizon」のブラッシュドチタンモデルの場合、449ドル《約6万6000円》だ)。コスト面でのもう1つの大きな違いは、毎月のサブスクリプション料金だ。Ouraリングの場合、健康やウェルネスに関する機能をすべて利用したければ月額6ドル(日本では税込999円)を支払う必要があるが、RingConnスマートリングでは、サブスクリプション料金は発生しない。
RingConnスマートリングは「Android」にも「iPhone」にも対応している。筆者はどちらのスマートフォンも使用しているが、RingConnでは、Androidと「iOS」をシームレスに切り替えられる。これとは対照的に、Ouraリングの場合はプラットフォームを切り替えるときに、リングをリセットする必要があるので、データや傾向の整合性が失われてしまう。
スマートリングの主な機能の1つは睡眠追跡だ。この3週間における2つのリングの結果を比較したところ、睡眠時間と心拍数、血中酸素飽和度(SpO2)はほぼ同じだったが、スコアはRingConnの方がOuraリングよりも8~10ポイント高くなる傾向にあった。スコアは単なる指標であり、スマートウォッチやスマートリングによる睡眠追跡は、どちらかというと傾向を追跡し、体調を確認することが目的である。個人的には、Garminのような企業がRingConnと提携し、リングで取得した睡眠データを「Garmin Connect」と連携できるようにしてくれたら、睡眠を追跡するためにスマートウォッチを装着しなくても済むようになるので、素晴らしいと思う。
RingConnアプリでは、ストレスに関して、Ouraリングの新機能「日中のストレス」よりもはるかに細かい情報を確認できる。また、アクティビティースコアに関しては、RingConnの方が、エクササイズをした後の体の感覚と一致しているように感じる(正直に言うと、スマートリングはアクティビティー追跡に最適な選択肢ではない)。
Ouraリングがほかのサービスに接続してアクティビティーデータを取得するのに対し、RingConnはリングで取得したデータしか利用できない。これに関しては、RingConnもGarminやApple、Polar、サムスンなどのサービスに接続できるようになることを期待したい。
RingConnにはない指標の1つは、レディネススコア(回復具合を表す数値)だ。ただし筆者の場合、Ouraリングに表示される数値よりもGarminのレディネススコアを信頼している。Ouraが通常、筆者の感覚からするとかなり高いレディネススコアを示すのに対し、Garminのスコアは変動が大きく、ランニングやローイング(ボート漕ぎ)、サイクリングをした後の体の感覚と一致しているように思える。
RingConnには、現在ベータ版の「心身のバランス」という機能があり、睡眠、活動、バイタルサイン、ストレスに基づいて全体的な評価を表示する。ウェルネスの評価は、「Excellent」(優秀)、「Good」(良好)、「Improvable」(改善の余地あり)の3段階だ。この3週間で、筆者が「Good」(良好)という評価を得られなかったのは1日だけで、「Excellent」(優秀)と評価されたことはまだない。
RingConnアプリでは、睡眠と活動、ストレスという3つの重要な指標に関するデータを確認でき、2つ目のメインビューでは傾向を確認できる。傾向は日ごと、週ごと、月ごとに表示させることが可能で、大量の興味深いデータを見やすいチャートやグラフで確認できる。また、興味深く有益な情報が満載の週次レポートや年次レポートを表示したり、共有したりすることも可能だ。
RingConnスマートリングは、筆者が思っていたよりもはるかに素晴らしかった。このような魅力的な製品がスマートリング市場に登場するのは、喜ばしいことだ。サブスクリプション料金を毎月支払いたくないという人には、自信を持ってRingConnスマートリングをお薦めしたい。筆者はメインのスマートリングとして、RingConnを選びたくなっている。確認できるデータが非常に多い点や、リングに接続するスマートフォンを簡単に切り替えられる点が気に入っているからだ。
RingConnでは現在、ワークアウトモードや月経周期予測、瞑想、マインドフルな呼吸などの機能の開発を続けており、今後のアップデートで導入される予定だ。
スマートリングは人気が高まりつつあり、他のメーカーも近々スマートリングをリリースするとのうわさもある。RingConnは開発経験を積んで進化しており、現在スマートリング市場をリードしている製品に対抗しうる素晴らしい製品を提供している。サブスクリプション料金を毎月支払いたくないのなら、RingConnスマートリングを検討する価値は十分にあるだろう。
RingConnスマートリングこの記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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