「Galaxy Buds3 Pro」レビュー:「AirPods」愛用者も乗り換えたくなる高音質

Jada Jones (ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル2024年08月05日 07時30分

 筆者のような人間にとって、イヤホンは生活の中で重要な位置を占めているわけではない。運動をするときや、外出時にハンズフリーで通話をしたりするときに使用する程度だ。それ以外の場合は、基本的に耳を覆うタイプのヘッドホンを使用している。イヤホンはあまり使わないので、気が付くとホコリをかぶっていることもある。

Galaxy Buds3 Pro
提供:Jada Jones/ZDNET

 そんな筆者が長らく愛用しているイヤホンが「AirPods Pro(第2世代)」だ。たくさんのイヤホンを試してきたが、とにかく「AirPods」から離れることができない。しかし、サムスンの新しいイヤホン「Galaxy Buds3 Pro」を試したことで、Appleへの気持ちが揺らぎ始めている。仮に他社のイヤホンに乗り換える気になったとして、Galaxy Buds3 Proは「iPhone」ユーザーにとって合理的な選択肢なのだろうか。本記事では、その疑問に答える。

 まずは、分かりやすいデザインから始めよう。Galaxy Buds3 Proは、非常に既視感のあるデザインだ。ホワイトモデルを購入したら、その既視感はさらに強くなるだろう。サムスンがGalaxy Buds3 Proを発表したとき、AppleのAirPodsにそっくりなデザインが大きな話題となった。両方の製品を手に取り、目を細めて見比べると、ほとんど区別がつかない。

 しかし、Galaxy Buds3 ProとAirPodsのデザインには、ポイントとなる違いがいくつかある。AirPodsのケースがより丸みを帯びた形状であるのに対し、サムスンのケースは底部が平らである。また、Galaxy Buds3 Proは、ステム部分にLEDライトが付いており、充電中やペアリングモードの際はこのライトが光る仕様になっている。

 さらに、これまでのモデルと違って、Galaxy Buds3 Proではステムが付いた、角張ったダイナミックなデザインを採用している。また、ケースとステムには赤と青のラインが入っているため、左右の区別もつきやすい。こうしたデザインの変更により、AirPodsに似ているという印象が強くなったが、結果として、使用感が向上しているのも事実だ。

 その代表例を紹介しよう。Galaxy Buds3 Proは、左右どちらにも10.5mmダイナミックドライバと6.1mmプラナードライバを搭載しており、素晴らしいサウンドを実現している。サウンドプロファイルは振動があり、しっかりしていて、エキサイティングだ。Gunnaの「bottom」という曲を再生したところ、低音には深みとパンチがあり、タイトな響きだったが、ボーカルと楽器はクリアで滑らかだった。ちなみに、設定やプロファイルの微調整は一切行っていない。

 The 1975の「Girls」のような高音のギターリフの楽曲は明るく聞こえたが、大音量では耳障りに感じた。AirPodsと比較すると、Galaxy Budsのサウンドの方が少し滑らかだ。低音域はよりパンチが効いており、しっかりとした存在感がある。サウンドパフォーマンスだけなら、AirPodsよりもGalaxy Buds3 Proを選びたくなる。

 Galaxy Buds3 Proには、いつものようにアクティブノイズキャンセリング(ANC)モードと「周囲の音」モードが搭載されている。このノイズキャンセリング機能は他社製品と比べても遜色なく、今回のレビューで本製品を最もよくテストした食料品店やジムなどの騒々しい環境で、ノイズをしっかりとに除去してくれる。

 周囲の音モードは、より自然なサウンドを提供するAppleの「外部音取り込みモード」ほど優秀ではない。サムスンの周囲の音モードでは、音楽を低音量で聴いていると、ヒスノイズ(高音の連続的な雑音)がはっきりと聞き取れる。50%の音量しきい値を超えると、ヒスノイズは聞こえなくなる。

 一日中装着したときの感じも問題は全くなかった。AirPodsと同じように、心地よく耳にフィットした。バッテリー持続時間も優れており、7時間の使用が可能だ。充電ケースを使用すると、さらに23時間、音楽を楽しむことができる。

 筆者はGalaxy Buds3 Proを「iPhone 14」で使用していたため、「イヤホンリモート追跡」や「360オーディオ」(サムスン版の空間オーディオ)など、サムスンデバイス専用の機能を一部利用できなかった。Galaxyのウェアラブルデバイスやイヤホン専用のコンパニオンアプリもAppleの「App Store」では提供されていないので、利用できない機能があっても驚くほどのことではなかった。

Galaxy Buds3 Pro
提供:Kerry Wan/ZDNET

 この他に、「通訳」モードも利用できなかった。通訳モードは、Galaxy Budsに搭載されたリアルタイムの翻訳ツールで、「Galaxy AI」を活用した機能だ。しかし、こうした先進的な機能に重きを置かない人に対して、サムスンのイヤホンをiPhoneで使用することはできないなどと言えるだろうか。

 耐久性に関して言えば、Galaxy Buds3 ProはAirPodsよりもわずかに優れている。筆者が所有している「Lightning」版AirPods Pro(第2世代)はIPX4等級の耐汗耐水性能を備えている。ケースは小雨に耐えることができ、イヤホンを装着したまま運動をして、汗をかいても故障の心配はない。だが、プールやトイレに落としてしまった場合、すぐに取り出さなければ、故障するかもしれない。

 Galaxy Buds3 ProはIP57等級の防水防塵性能を備えているので、非常に浅い水場なら、落としてしまっても最大30分間耐えることができる。ただし、ケースはIP等級を取得していないため、どの程度の防水性能があるのか不明だ。

購入に向けたアドバイス

 総合的に見ると、Galaxy Buds3 Proは、携帯しやすい小型の形状で高音質の音楽を楽しみたい人にとって、素晴らしい相棒になるだろう。サムスンの「Galaxy」スマートフォンを使用している人は当然、Galaxy Buds3 Proのプレミアム機能をすべて利用できるが、このイヤホンの音質が驚異的であることは否定のしようがない。

 Galaxy Buds3 Proは当初、米国では7月24日に発売予定だったが、イヤーチップの不具合に関する品質管理のため、8月28日に延期された。それでも、新しい品質基準を満たせば、Galaxy Buds3 ProはGalaxyのファンにとって、最高のプレミアムイヤホンになるだろう。

 空間オーディオやインイヤー検出などのプレミアム機能を搭載し、すべてのOSに対応するイヤホンが欲しい人は、Boseの「QuietComfort Ultra Earbuds」を検討してほしい。信頼性の高いノイズキャンセリング機能と優れたサウンドを提供する手ごろな価格のイヤホンを探している人は、JLabの「JBuds ANC 3」を試してみてほしい。

Galaxy Buds3 Pro

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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