人工知能(AI)は近年、広く普及し、医師が放射線を検出するのを支援するという良い面もあれば、犯罪者が被害者をだますのに利用するという悪い面もある。そしてMicrosoftは今、AIの悪用を防ぐための新たな法律の制定を米政府に求めている。
Microsoftは米国時間7月30日に声明を発表し、AI技術を使って米国人から金を盗んだり、米国人を操ったりする犯罪を防ぐための「ディープフェイク詐欺に関する包括的な法律」を米議会が立案する必要があると述べた。
「AI生成のディープフェイクはリアルで、ほぼ誰でも簡単に作成でき、詐欺や虐待、操作のためにますます利用されるようになっている。これらは特に子供や高齢者をターゲットにしている」と、MicrosoftのプレジデントであるBrad Smith氏は声明で述べた。「最大のリスクは、世界がこれらの問題を解決するために過剰な対応をすることではない。対応が不十分になることだ」
Microsoftが規制を求めた背景には、AIツールがIT業界全体に普及し、犯罪者が被害者の信頼を簡単に得るのに役立つツールにアクセスすることも、ますます容易になっていることがある。こうした犯罪の多くは、メッセージの作成やプロジェクトのための調査、ウェブサイトや画像の作成を支援するための正当な技術を悪用している。犯罪者らは、これらのツールを使って偽のフォームや信憑性のありそうなウェブサイトを作り、ユーザーを欺いて金銭を盗むことができる。
「民間部門には、AIの悪用を防ぐための安全策を考案、導入する責任がある」とSmith氏は述べ、政府には「責任あるAIの開発と利用を促進する」政策を立案する役割があるとした。
Smith氏は、選挙妨害に用いられたディープフェイクに多くの専門家が注目している一方で、「その他の犯罪や虐待におけるその広範な役割にも同等の注意を払う必要がある」とも述べた。
Microsoftの声明この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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