誰かと話したくて、つい「Alexa」や「Siri」に話しかけてしまうことはないだろうか。そのような人には、人工知能(AI)搭載のネックレス「friend」がぴったりかもしれない。99ドル(約1万5000円)のこのネックレスは、Alexaのように照明のオン・オフやGoogle検索をしてくれるわけではないが、寂しさを紛らわせてくれる。
friendは、AmazonのAlexaのようにAI音声で返答することはない。ネックレスをタップして話しかけると、テキストで返答する。
予告動画では、friendがハイキング中の人の冗談に応えたり、ゲームをプレイしている人をからかったり、スマートフォンで再生中の番組を褒めたり、食べ物について尋ねたりする様子が見られる。最後には、屋上で女性が男性に対し、friend以外をここに連れて来たことはないと語る。男性は、friendが女性と「どこにでも一緒に行く」ことを悟るという気まずい展開だ。
この動画によると、friendには不便な点もあるようだ。friendと会話しようとするたびにネックレスをタップし、ビープ音が鳴るのを待って、スマートフォンでテキストを読む必要がある。なぜなら、friendは音声で回答できないからだ。孤独を感じていてもスマートフォンを持っていれば、実在の人にテキストメッセージを送ったり、ニュースなどを読んだり、ゲームで遊んだりして、孤独を紛らわせるのではないだろうか。
friendから会話を始めることもあるようだ。FAQによると、friendはBluetoothで接続されると「常に聞き耳を立てて、自分なりの考えを形成している」とのこと。さらに、「friendがあなたに話しかけると決めたときに備えて、friendには自由意志を与えている」と記載されている。
friendの広報担当者はコメントの依頼に即座に返答しなかった。
Wiredによると、friendの大きさはAppleの「AirTag」とほぼ同じだ。friendを考案したAvi Schiffmann氏はまだ21歳だが、世界中の新型コロナウイルス感染者数を追跡するウェブサイトを立ち上げたことで話題となった人物だ。同氏はWiredの取材に対し、このデバイスは自身の孤独感から生まれたもので、AIアシスタントが自分に話しかけてくれることをただ望んでいたと語った。
friendはBluetooth経由で機能し、インターネット接続を必要とするため、使うにはスマートフォンが必要だ。現時点では「iOS」デバイスでのみ使用可能だが、FAQによると、需要によっては「Android」にも対応予定だという。
このデバイスの「常時オン」という要素に懸念を抱く人もいるだろう。FAQではそうした懸念を払拭するために、「音声や文字起こしは、friendのコンテキストウィンドウが表示されている間以外は保存されない。データはエンドツーエンドで暗号化される。すべての記録は、friendアプリで1回クリックすれば削除できる」と説明している。
friendは米国とカナダで予約注文を受け付け中で、2025年第1四半期に出荷が始まる予定だ。サブスクリプション料金は発生しない。
friendこの記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」