楽天モバイルは6月27日、700MHz帯の「プラチナバンド」での商用サービスを開始したと発表した。
東京から開始し、顧客状況を鑑みながら順次他地方へ展開する。
楽天モバイルは2023年10月、総務省からプラチナバンドの認定を獲得。5月から試験電波を発射していた。
プラチナバンドのサービス開始にあたり、従来から1.7GHz帯で全国に展開するOpen RAN対応の完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワーク構築の知見を生かし、1.7GHz帯と700MHz帯を1つのアンテナに共存させたという。
コストを抑えつつリードタイムを短縮させた展開が可能となり、700MHz帯商用サービスの迅速な開始を実現したとしている。
楽天モバイル 代表取締役社長を務める矢澤俊介氏は、「従来、もう少し先にスタートする予定だったが、前倒しで展開できた。他の地方にもなるべく早く展開したい」という。今後は残されたカバレッジホールを優先し、自社基地局によるプラチナバンドの展開を順次拡大する予定だ。
また楽天モバイルは、5G(Sub6)基地局のキャパシティを増強する施策を実施したことも発表。基地局の送信出力引き上げとソフトウェアのアップグレードにより5Gの通信速度と安定性を大幅に向上させつつ、基地局のパラメータの最適化で4G・5G間をスムーズに切り替えできるという。
東京都内で従来と比較すると、5G接続におけるセル(基地局の電波が届く範囲)当たりのトラフィックは約2.3倍に向上。ユーザー数も約1.5倍、平均通信速度も約2倍に向上したとしている。
今後も、KDDIとの連携によるローミング回線エリアの拡大・最適化や地下鉄・鉄道(駅間)・鉄道トンネル・地下街などにおける共用基地局の整備の推進、自社基地局(4G・5G)の継続的な拡充といったさまざまな施策を組み合わせ、通信品質のさらなる向上を推進する。
楽天モバイル 代表取締役会長を務める三木谷浩史氏は、「プラチナバンドはわれわれが熱望していた、楽天モバイルを進化させるネットワーク。4G・5Gで拡張してきたものを補完し、さらに電波が強くなる。特に人口や建物が密集しているところや地下など、隅の隅まで届くようになる。『Rakuten Link』を使えば通話も無料、海外でも2GBまで無料などを実現してきたが、安くて便利で無制限、クオリティも高くて早い通信回線を日本のユーザーに届け、“携帯市場の民主化”を目指す。さらなる品質向上に向けて社員一丸となって努力するので、応援してほしい」と話した。
なお、プラチナバンドの商用サービス開始を記念して6月27日から、「プラチナバンド始動&700万回線突破記念」キャンペーンを実施する。楽天モバイルの「X」公式アカウントをフォロー、キャンペーン投稿をリポストしたユーザーから抽選で77人に7777ポイントをプレゼントする。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス