「motorola razr 50/50 ultra」実機を試す--デザインも中身もさらに「楽しく」

Patrick Holland (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2024年06月29日 07時30分

 レノボ傘下のMotorolaが折りたたみスマートフォン「razr」シリーズの2024年モデル、「motorola razr 50 ultra」と「motorola razr 50」を発表した。どちらの機種もアップグレードと楽しい機能が多数搭載されている。本体の色と仕上げも新しくなり、カメラもアップグレード。カバースクリーンも大きくなり、「moto ai」と「Google Gemini」を搭載している。ブルックリンで開催されたプレスイベントにて、筆者はrazr 50 ultraとrazr 50を実際に30分ほど使用することができた。印象的だったのは、両機種に楽しい機能が多数搭載されていたことだ。

razr 50 ultra
razr 50 ultra
提供:Patrick Holland/CNET

razr 50とrazr 50 ultraのデザイン

 razr 50とrazr 50 ultraには類似点が多くある。ほかのデバイスでよく見られる、ガラス製の背面カバーは採用されておらず、2023年モデルと同様のヴィーガンレザー製の背面カバーを備えている。ただし、2024年モデルでは、さまざまな合成皮革に加えて、合成スエードも使用されている。短時間ではあったが、それぞれの機種を実際に手で持ってみるのは、楽しい体験だった。どちらのモデルも、洗練された豪華なケースが本体に組み込まれているような感じだった。ミッドナイトブルーのrazr 50 ultraの背面にデザインされた合成皮革のストライプは、かなり目を引いた。

razr 50
razr 50
提供:Patrick Holland/CNET

 Motorolaとしてはこのファッショナブルな外観と感触を押しているが、デザインも革新的だ。どちらの機種も、2023年のモデルと比べてヒンジが30%小さくなっている。ヒンジの小型化に伴って、可動部品も少なくなったので、長期的な耐久性の面でもプラスになるはずだ。ヒンジが小さくなるということは、ほこりが入り込むすき間も少なくなるということだ。興味深いのは、2023年モデルのrazrシリーズは、防水性能こそあまり高くはなかったものの、防塵性能の等級を取得した唯一の折りたたみスマートフォンだったという点だ。

razr 50 ultra
razr 50 ultra
提供:Patrick Holland/CNET

 razr 50とrazr 50 ultraはIPX8の防水性能を備えており、最大30分間の水没に耐えられるとされている。これは、サムスンの「Galaxy Z Flip」と同等の防水性能だ。IPX8の「X」は、2024年のモデルは防塵性能の等級を取得していないことを意味する。

 ヒンジが小型化したことのもう1つのメリットは、ディスプレイの折り目が少なくなることだ。確かに、折り目はまだあるが、かなり目立たなくなっている。また、以前のモデルと比較して、本体の開閉がしやすくなっていることにも気づいた。

 両モデルとも、内側のディスプレイの輝度が向上している(最大3000ニト)ので、屋外でも見やすいはずだ。さらに、どちらのモデルでも、内側のディスプレイとカバーディスプレイの両方にMotorolaの新しいウォータータッチテクノロジーが搭載されており、「OnePlus 12」と同様に、雨の中で使用してもタップやタッチ、スワイプに反応するようになった。

  razr 50 ultraとrazr 50で異なるのは、メインの6.9インチディスプレイのリフレッシュレートだ。内側のディスプレイの最大リフレッシュレートは、razr 50 ultraが165Hzなのに対し、razr 50は120Hzとなっている(これでも十分に素晴らしい)。今回実機を試してみた30分間で、両機種のリフレッシュレートの違いを認識するのは容易ではなかった。とはいえ、ゲーマーの友人たちが、razr 50よりも45Hz高いrazr 50 ultraのリフレッシュレートに大喜びすることは間違いないだろう。

 おそらく、それぞれのモデルの最大の変更点はカバーディスプレイだろう。razr 50 ultraには新しい4インチカバーディスプレイが搭載されている。これは、6月に中国で発売された「HONOR Magic V Flip」のカバーディスプレイと同じサイズだ。

 razr 50は、2023年の「razr 40 ultra」と同様、3.6インチディスプレイを搭載している。今回参加したプレスイベントでは、カバーディスプレイだけを見て、razr 50 ultraとrazr 50を区別するのは難しかったが、1つの手がかりとして、razr 50には、カバーディスプレイの上部に小さなヴィーガンレザーのストリップが付いている。

 カバーディスプレイのソフトウェアとインターフェースもアップデートされている。カバーディスプレイでは、どんな「Android」アプリでも開くことが可能だ。ソフトウェアパネルも改良されており、画面をピンチして外側にスワイプするとすべてのパネルビューが表示される機能も新たに搭載されるなど、操作性が向上している。

razr 50とrazr 50 ultraのカメラ

ストラップ付きケース
ストラップ付きケース
提供:Patrick Holland/CNET

 どちらのモデルも、カバーディスプレイにカメラが2つ埋め込まれている。個人的にこのデザインはかなり気に入っている。非常に斬新だからだ。メインカメラには、両モデルとも2023年モデルよりも大きい5000万画素のセンサーと光学手ぶれ補正機能が搭載されている。razr 50の方は、2023年モデルと同じ1300万画素の超広角カメラを備えている。

 一方、razr 50 ultraの方は、2023年モデルの超広角カメラの代わりに、光学2倍、5000万画素の望遠カメラが新たに搭載されている。Motorolaが筆者に語った変更の理由は、ユーザーが写真撮影に超広角レンズよりもズームを多く使っていることが分かったというものだ。個人的には、望遠レンズも超広角レンズも好きなので、どちらか1つを選ぶのは難しいが、筆者もおそらく望遠レンズを選択すると思う。

バッテリーとプロセッサー

 それぞれのモデルのバッテリーとプロセッサーを紹介しておくと、razr 50 ultraは「Snapdragon 8s Gen 3」チップを搭載しており、45Wの有線充電、15Wのワイヤレス充電、5Wのリバースワイヤレス充電をサポートする4000mAhのバッテリーを内蔵している。一方、razr 50の方はMediaTekの「Dimensity 7300x」チップを搭載しており、30Wの有線充電、15Wのワイヤレス充電をサポートする4200mAhのバッテリーを備えている。これらの数字自体にはあまり意味がない。米CNETは、バッテリーが実際にどれだけ持続するのかをテストする予定だ。

razr 50 ultraのmoto ai

razr 50 ultra
razr 50 ultra
提供:Patrick Holland/CNET

 人工知能(AI)について触れなければ、2024年のスマートフォン発表とは言えないだろう。razr 50 ultraでは、ポートレート写真の改善、動画のオートフォーカス、長時間露光画像など、moto aiを活用したカメラ機能を利用できる。筆者が特に楽しみにしているのは、razr 50 ultraの新しいカメラを試して、新しいハードウェアとSnapdragonチップ、moto aiがどのような改善をもたらすのかを確認することだ。

 moto aiには、会話の録音と書き起こしができる「Pay Attention」、ユーザーが着ている服にマッチする、またはその服を引き立てるスマートフォン用のオリジナル壁紙を生成する「Style Sync」などの機能もある。後者の機能は、単純に楽しそうだ。「楽しい」という言葉がまた出てきた。

 両機種にはGoogle Geminiが組み込まれており、必要なときに、カバーディスプレイからさまざまな機能にアクセスできる。

 Motorolaは今後数カ月から数年の間に、さらに多くのmoto ai機能を追加する予定だという。

 razr 50もrazr 50 ultraも「Android 14」を搭載しており、同社は3世代分のAndroid OSメジャーアップデートと4年間の隔月セキュリティアップデートを約束している。

驚きをもって迎えられた「moto tag」

moto tag
提供:Patrick Holland/CNET

 今回のMotorolaの発表で一番驚いたことの1つは、おそらくmoto tagだろう。実際に、筆者が参加したプレスイベントでも、何人かの記者の驚きの声が聞こえたくらいだ。moto tagは、Googleの「デバイスを探す」ネットワークで動作する。超広帯域無線(UWB)技術をサポートし、Bluetoothを搭載するすべてのAndroidスマートフォンに対応している。

 ペアリングしたAndroidスマートフォンを使ってmoto tagを探すこともできるし、タグ本体のボタンを押してスマートフォンを鳴らし、場所を特定しやすくすることもできる。このボタンを遠隔のシャッターボタンとして使用して、写真を撮ることも可能である。これも楽しい機能だ。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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