MWC2024で見た奇抜なスマホたち--視線追跡スマホ、ウェアラブルスマホなど

Mike Sorrentino (CNET News) 翻訳校正: 編集部2024年03月03日 07時30分

 バルセロナで開催された2024年のMobile World Congress(MWC)では、チョコレートのスマートフォンから、超大容量バッテリー搭載のスマートフォンまで、スマートフォンの新たな可能性を示すデバイスが次々と登場した。スマートフォンは必ずしも「『iOS』や『Android』で動く、タッチスクリーン搭載の板」でなければならないわけではない。

 2024年のMWCでお披露目されたのはスマートフォンに着想を得たコンセプトモデルだけではない。会場にはロボット犬や電気自動車も登場し、あらゆるテクノロジーが交錯する刺激的な場となった。

 MWC2024の会場で、特に注目を集めたものを紹介する。

  1. Motorolaのチョコレート製razr
  2. 超大容量バッテリーを搭載する「Energizer」スマホ
  3. Motorolaとサムスンのウェアラブルスマホ
  4. 目でタップできる「Honor Magic 6 Pro」
  5. 「バービー」ブランドのミニマルな携帯電話

Motorolaのチョコレート製razr

Motorolaのチョコレート
提供:Andrew Lanxon/CNET

 報道関係者向けのイベントでは、デモを開催するテクノロジー企業が記者のためにスナックを用意していることがある。今回、Motorolaが用意したのはチョコレートでできたスマートフォンだ。

 この食べられる「razr 40 Ultra」(米国では「razr+」)は、端末を途中まで開いた形をしており、ディスプレイは2023年末に追加された新色「ピーチファズ」でコーティングされている。

 その他の仕様は、ただのチョコレートだ。つまり、「Snapdragon」シリーズのチップセットやリチウムイオンバッテリーの代わりに、ココアバターや砂糖が使用されている。文字を打とうとすれば、溶け出してしまうかもしれない。

超大容量バッテリーを搭載する「Energizer」スマホ

 AvenirがMWCで披露したEnergizerブランドのスマートフォンは2万8000mAhのバッテリーを搭載する。一般的に、スマートフォンのバッテリーは5000mAhで大容量とされることを考えると、バッテリー切れの心配とは永遠におさらばできそうだ。

 この「Energizer Hard Case P28K」は、6.78インチのディスプレイ、6000万画素のメインカメラを搭載し、IP69の防水・防塵性能と3年間の保証を備える。

 MWCで見かける多くのコンセプトモデルと異なり、Avenirはこれを実際に販売すると報じられている。発売は2024年10月、価格は250ユーロ(約4万1000円)になる見込みだ。

Motorolaとサムスンのウェアラブルスマホ

Motorolaのコンセプト
Motorolaのコンセプト
提供:Andrew Lanxon/CNET

 Motorolaとサムスンはどちらも、腕時計のように手首に巻き付けられるスマートフォンを披露した。サムスンの「Cling Band」と、同様のコンセプトで開発されたMotorolaの端末は、どちらも一般的な縦長のスマートフォンとしても機能するが、見所は別にある。

サムスンの「Cling Band」
サムスンの「Cling Band」コンセプト
提供:Andrew Lanxon/CNET

 この2つの端末は、ディスプレイを後方に曲げられるのだ。しかも、手首に巻きつけられるほどに。両社とも製品化の計画は発表していないが、いずれはスマートフォンにもなるスマートウォッチが登場するかもしれない。

目でタップできる「Honor Magic 6 Pro」

Honor Magic 6 Pro
提供:Andrew Lanxon/CNET

 栄耀(Honor)のHonor Magic 6 Proが提案するのは、スマートフォンの新たな操作方法だ。人工知能(AI)を使って視線の動きを追跡するため、ユーザーはディスプレイを触らずにアプリを起動し、操作できる。

 ユーザーの視線を感知できるスマートフォンはすでに存在するものの、用途は端末のロック解除やメディアの再生、一時停止などに限られている。Honor Magic 6 Proの視線トラッキング機能はまだ試せていないが、デモ動画を見て思い出したのは、かつて「Xbox」向けに製造されていた「Kinect」のカメラだ。ディスプレイの特定の部分に視線を合わせると、数秒後に該当箇所の選択肢が選択される。

 視線トラッキングがスマートフォンの実用的な操作方法となるかどうかはまだ分からない。しかし長年、モバイル機器の操作にはスクロールやスワイプくらいしかなかったことを考えると、新しい操作方法は新鮮に映る。

「バービー」ブランドのミニマルな携帯電話

バービー
提供:HMD

 HMDはNokiaブランドのシンプルなスマートフォンを刷新し、MWCで注目を集めた企業だが、2024年は「バービー」に目を付けたようだ。HMDはバービーブランドのシンプルな携帯電話を2024年に発売すると発表した。

 バービーをモチーフにした、しかも最小限の機能だけを搭載した端末とは、どのようなものになるのだろうか。2000年代初頭の携帯電話にオマージュを捧げたデザインに、「WhatsApp」のような現代人御用達のコミュニケーション用アプリを積んだ端末なのか、それともバービーブランドで遊び心を加えつつ、「Light Phone II」のようなe-Ink端末に近い構造を採用した、究極のシンプルを追究する端末なのか。

 今のところ分かっているのは、バービーは「何にでもなれる」ということだけだ。HMDの最高マーケティング責任者Lars Silberbauer氏は、これを「あらゆるバービーファンのためのもの」と呼ぶ。発売予定は7月なので、今後の続報を待ちたい。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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