Appleは少なくとも1社のサプライヤーに対し、複合現実(MR)ヘッドセット「Apple Vision Pro」の次期バージョンの開発を中断したと伝えたという。これは、米国での発売から4カ月余りが経過し、Vision Proの需要が予想を下回っていることを示す最新の兆候だ。
The Informationは米国時間6月18日、Appleはより手頃な価格で機能を絞ったVision製品の開発を継続し、2025年末までに発売する計画だと報じた。この記事は、「Vision Proの主要部品を製造するメーカー」の匿名従業員の話を基にしている。
Appleはコメントの依頼に即座に回答しなかった。
多くのAppleウォッチャーにとって、Vision Proの苦戦ぶりは驚くことではない。2月に初めて店頭に並んだとき、レビュアーらはこのデバイスを次の大ヒット商品になる可能性があると絶賛した。しかし、3499ドル(日本では59万9800円)の価格設定は、Metaの499.99ドル(同7万4800円)の「Quest 3」ヘッドセットなどのデバイスと比較すると、非常に高価だった。
「『iOS』デバイスをMRヘッドセットの形にしたようなVision Proは、まったく新しい提案の始まりのように思える」と米CNETのレビュワー、Scott Stein記者は発売のすぐ後に書いた。Metaのデバイスは、デザインこそ洗練されていないものの、多くの点で同様の機能を提供しているという。「Quest 3は、MRを体験し試すのに最適な手頃な価格のヘッドセットであることに変わりはない」(Stein記者)
Appleは、このデバイスの売れ行きに関するデータを公表していないが、4月にある金融アナリストが、需要が「急激に落ち込んだ」ため、同社は出荷予測を最大50%削減したと述べたと報じられている。
業界関係者の懸念にもかかわらず、AppleはVision Pro発売計画のまだ初期段階にある。同社は先週、現在は米国のみで提供しているVision Proを、6~7月に中国、日本、オーストラリア、カナダ、フランスなどにも展開すると発表した。また、今秋には無料のソフトウェアアップデートで、3D写真への変換機能やより使いやすいハンドジェスチャーなどの新機能を追加する予定だ。
Appleは秋に、次世代の人工知能(AI)サービス「Apple Intelligence」の提供も予定している。同社によると、この機能は「iOS 18」「iPadOS 18」「macOS Sequoia」に組み込まれ、テキストメッセージのやり取りの要約や電子メール作成の支援など、日常生活に役立つように設計されている。
Apple Vision Proこの記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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