サムスンの折りたたみスマートフォン、2023年モデルの「Galaxy Z Fold5」と「Galaxy Z Fold4」の特に大きな違いの1つは、新しいヒンジだった。次期モデルと予想される「Galaxy Z Fold6」でも、変更の中心になるのはデザインだとみられている。
うわさが本当だとすれば、Galaxy Z Fold6は外見が新しくなって「Galaxy S24 Ultra」により似た形になり、中でもカバー画面が大型化する可能性がある。
その他に予想されているのは、新しいプロセッサーの搭載など、新型デバイスで一般的に見られるアップグレードだ。Galaxy Z Fold6でも、サムスンの人工知能(AI)機能「Galaxy AI」が使えるようになりそうだが、折りたたみスマートフォンに特化した新しいAI駆動のソフトウェア技術が登場するのかどうか、詳細までは分かっていない。また、前モデルと同じく、入力装置として「Sペン」がサポートされる可能性が高い。
一方、まだ予見できないのは、サムスンが新たなバリエーションモデルを投入するかどうかだ。ニュースブログGalaxyClubと、韓国のニュースサイトThe Elecによると、高価な「Ultra」モデル、あるいは廉価版エントリーモデルのZ Foldが登場するのではないかとみられている。
サムスンは、ごく初期から折りたたみスマートフォン市場に参入した企業の1社であり、この分野をリードする存在と目されてきた。しかし、市場調査会社Counterpoint Researchの調査結果によると、2024年第1四半期(1月~3月)における出荷台数を見る限り、対前年度成長率でライバルの華為技術(ファーウェイ)にトップの座を明け渡したという。また、GoogleとOnePlusが折りたたみスマートフォン市場に参入したこともあり、サムスンの競合相手はこれまでになく増えている。
Galaxy Z Fold6で予想される点を、もう少し詳しく見てみよう。
サムスンは、発表の準備ができるまで新製品のことを語らないのが常だ。ただし、毎年2回、製品発表イベント「Galaxy Unpacked」を開催し、新しい折りたたみスマートフォンやスマートウォッチなどを発表している。夏の開催時期は通例、7月か8月だ。
各種報道では、2024年もその方向性は変わらないという。韓国のニュースサイトETNewsとブログSamMobileの記事でも、2024年夏のUnpackedイベントは2023年と同様、7月に開催されるとしている。Galaxy Z Fold6のほか、サムスンは「Galaxy Z Flip6」や「Galaxy Watch7」、そして「Galaxy Ring」を同イベントで発表することが予想される。
一方、サムスンがGalaxy Z Fold6を前モデルより安価にすることを期待していた人たちは、残念ながら期待外れに終わるかもしれない。Smartprixによると、Galaxy Z Fold6の価格は前モデルより100ドル高くなり、基本構成で1899.99ドル(約30万円)になる可能性がある。
Galaxy Z Fold6は、デザインが一新されると予想されている。Galaxy Z Fold6とGalaxy Z Flip6の広告がリークしたとされる情報が先頃Redditに投稿され、それがSamMobileでも報じられた。画像を見ると、Galaxy Z Fold6は、エッジが今までよりフラットになり、Galaxy S24 Ultraのように角張ったデザインになりそうだ。このとおりになるなら、今回のデザイン変更によって、サムスンのスマートフォン上位機種間で統一感が出ることになる。また、Galaxy Z Fold6はメモ帳のような形状に近づくことにもなり、おそらくSペンに対応するという点を考えると、これは理にかなった変更だろう。
だが、それ以上に役に立ちそうなのが、大型化するとみられているカバー画面だ。たびたびリーク情報を発信しているXアカウントICE UNIVERSEによると、Galaxy Z Fold5で57.4mmだったカバー画面の幅が、Galaxy Z Fold6では60.2mmに大型化するという。カバー画面の横幅が大きくなれば、閉じたときの形状が普通のスマートフォンにより近づき、筆者が現行モデルについて最も不満を感じている点が解消されそうだ。
一方、折りたたみスマートフォンにつきものの折り目は、完全になくなるとまでは期待できない。ICE UNIVERSEはテスターらの話として、折り目は小さくなったが存在していると指摘している。
うわさが正しければ、Galaxy Z Fold6のカメラに関して大幅なアップグレードは予定されていない。ICE UNIVERSEとGalaxyClubのどちらも、カメラの仕様はGalaxy Z Fold5のときと同じだと報じている。つまり、外側のメインカメラのセンサーは5000万画素、超広角カメラが1200万画素、望遠カメラが1000万画素、カバー前面にあるカメラが1000万画素で、デバイスを開いたときに使う、ディスプレイ下に埋め込まれているカメラが400万画素ということだ。
とはいえ、画素数がすべてではない。センサーに取り込める光の量はピクセルサイズに左右されるので、それも重要だ。サムスンは、Galaxy S24 Ultraのピクセルサイズを前年度モデル「Galaxy S23 Ultra」から大型化し、それによって、例えば筆者が試用していたときに、光源の混ざった環境や低照度環境での画質の向上を実現した。アルゴリズムの改善や新しいプロセッサーなど、目に見えないアップグレードでも、写真の画質は向上する。例えば、2023年モデルのGalaxy S23 Ultraをレビューしたときには、色調とディテールがアルゴリズムによって良くなったことに気づいた。
言い換えるなら、Galaxy Z Fold6のカメラがカタログ上ではGalaxy Z Fold5と同じだとしても、カメラ性能を向上させる方法は他にもあり、そうなる可能性はあるということだ。
Galaxy Z Fold6では、複数モデルの計画が進行している可能性もある。The Elecの報道によると、より広い消費者に訴求できるように、サムスンはGalaxy Z Foldの廉価版を開発中だという。Galaxy Z Fold5は現在1799.99ドル(日本では25万7400円)からで、市場でも特に高価なモデルの1つになっている。価格がもっとこなれてくれば、サムスンのスマートフォン/タブレットのハイブリッドモデルはもっと訴求力が高くなる可能性がある。
一方、サムスンは正反対のアプローチを検討しているといううわさもある。現行よりさらに高価なモデルの計画が進行中であり、その名称は「Galaxy Z Fold6 Ultra」になるかもしれないと、GalaxyClubが報じている。ただし、同報道によると、販売は韓国国内に限定される可能性もあるという。
サムスンが次の折りたたみスマートフォンで何を計画しているかは、発表があるまで分からない。だが、うわさどおりなら、Z Foldシリーズには、2023年にGalaxy Z Flip5が発表されて注目を浴びたときよりも大幅な変化がありそうだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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