復活の「Nokia 3210」を試す--伝説の耐久性は健在?カメラ性能はどうか

Andrew Lanxon (CNET News) 翻訳校正: 編集部2024年06月17日 07時30分

 1999年に発売され、人気を博した携帯電話「Nokia 3210」が2024年、デザインをアップデートして帰ってきた。新Nokia 3210は新たにカラーディスプレイと200万画素カメラを搭載、4G LTEにも対応した。英国での価格は75ポンド(約1万5000円)だ。

Nokia 3210
提供:Andrew Lanxon/CNET

 新Nokia 3210は最低限の機能しか持たないフィーチャーフォンだ。アプリはもちろん、NFC、ワイヤレス充電、タッチスクリーンも使えない。インターネットはかろうじて閲覧できる。欲しい文字が出るまでキーをタップすれば、SMSメッセージも送信可能だ。「T9入力」にも対応する。

 新Nokia 3210が、Nokiaブランドの携帯端末を手掛けるHMD Globalによる話題集めに近い商品であることは間違いない。しかし、長いバッテリー駆動時間とコンパクトなデザインは確かに魅力的だ。現代のあわただしい生活からしばし逃れたいが、緊急時には連絡を取れるようにしておきたいという人にとっては、使い道があるかもしれない。

 新Nokia 3210について、気になる質問に答えていく。

踏んでも壊れないか

Nokia 3210を踏みつける様子
提供:Andrew Lanxon/CNET

 オリジナルのNokia 3210と「Nokia 3310」は、驚くほどの頑丈さでミームにまでなった伝説的な携帯電話だ。一方、今回発売された新バージョンは、筆者の記憶の中のオリジナル版と比べるとプラスチック感が強い。そこでNicksのごつい革製ブーツを履き、93kgの全体重をかけて端末の上に乗ってみた。ギシギシと不穏な音はしたが、砕けることもヒビが入ることもなかったので、かなり乱暴に扱っても問題はなさそうだ。

 ただし、最近は多くのスマートフォンに備わっている防水性能はまったくないので、液体や雨の日の使用には十分に注意したい。

「Snake」で遊べるか

Nokia 3210でSnakeをプレイする様子
提供:Andrew Lanxon/CNET

 遊べる。プリインストールされているNokiaのレトロゲーム「Snake」は、以前と同様、まあまあ中毒性が高い。ゲームは他にも「Crossy Road」や「Doodle Jump」の機能限定版が搭載されている。どちらも3回までは無料でプレイ可能だ。それ以上遊びたい場合は、国際SMS10回分程度の料金(約5ポンド/ドル、約800〜1000円)で購入する必要がある。

アプリのダウンロードや、インターネット閲覧はできるか

 アプリはダウンロードできない。メニューには「Facebook」アプリのロゴがあるが、これはウェブブラウザー「Opera Mini」でFacebookのページにアクセスするためのショートカットだ。アプリストアはないので、「WhatsApp」「TikTok」「Instagram」「Spotify」「Netflix」はダウンロードできない。Nokia 3210を使うということは、ソーシャルメディアを断つことに等しい。もっとも、これは良いことかもしれない。

Nokia 3210で米CNETのページを表示した様子
米CNETはウェブサイトのデザインに多額の資金を投じているが、Nokia 3210では台無しだ
提供:Andrew Lanxon/CNET

 Opera Miniを使えばインターネットにアクセスできるが、快適とは言いがたい。ウェブサイトの表示は崩れ、ボタンでのナビゲーションは至難の業だ。しかし天気予報やスポーツの試合のスコアをチェックするくらいなら十分だろう。

1999年にタイムスリップするには、他に何がいる?

 近所のリサイクルショップで90年代の古着を買い、会議では同僚全員に「FAXして」と頼み、Eiffel 65の「Blue (Da Ba Dee)」The Cartoonsの「Witch Doctor」、そしてもちろんTLCの「No Scrubs」を聴きまくろう。

 それからCD-ROMを買ってコンピューターの2000年問題に備えつつ、「Coors」か「Miller Lite」の栓を抜く。残念なことに、クラフトビール革命が本格化するのは、まだ当分先のことだ。

さまざまなロゴが表示された画面
Facebookのロゴからアプリにアクセスできるわけではない
提供:Andrew Lanxon/CNET

バッテリーが永遠に持つとか?

 それはない。しかし、1回の充電で数日間は使える。オリジナルのNokia 3210はうまくすれば何週間も持ったが、新バージョンはカラーディスプレイと4G接続機能を備えているので、消費電力がはるかに大きい。この点は、オリジナルには到底及ばない。

写真は撮れる?

 背面に200万画素のカメラがついている。ただし、ひどい出来なので、あまり期待しないほうがいい。撮影条件が良くても露出、ノイズ、色が悪く、残念な写真しかとれない。カメラの質は、2000年代初頭の携帯電話についていたカメラに近い。写真に少しでもこだわりがあるなら他の機種を選ぼう。

虹色の塀
虹色がこれほどみすぼらしく見えたことはない
提供:Andrew Lanxon/CNET
濡れた葉の写真
きれいな緑の葉のはずが、すっかり色あせている
提供:Andrew Lanxon/CNET
筆者の顔写真
残念だ
提供:Andrew Lanxon/CNET

 ここまでひどいカメラユニットをどこから仕入れたのか、不思議なくらいだ。当時のデッドストックなのか、それとも劣悪な新品なのか。

音楽は聴ける?

 ラジオが内蔵されているので、通常のAM/FM番組は聴けるが、Spotifyや「Tidal」、「Apple Music」は使えない。しかし、32GBのmicroSDカードに(出所はどこであれ)音楽ファイルを入れて再生することは可能だ。Bluetoothヘッドホン接続できる。

Nokia 3210の背面
背面カバーを外すとバッテリーとSIMカードがある
提供:Andrew Lanxon/CNET

 ただしラジオについては、どういうわけかBluetoothヘッドホンでは聞けなかった。ラジオはスピーカーから聞くか、3.5mmジャックに有線ヘッドホンをつなごう。

Instagramが使えないんじゃ、レトロクールな私をアピールできない

 ソーシャルメディアに露出できない代わりに、90年代の古着ファッションを極めよう。そうすれば、街で最もレトロな人物として認知されるはずだ。ファッションが無理なら、熱気球からビラをまくとか。ターゲットを絞った郵送キャンペーンもいいかも。もちろん伝書鳩を使って。

Nokia 3210のボタンを押す様子
提供:Andrew Lanxon/CNET

おすすめ度は?

 新Nokia 3210は、筆者のようにオリジナル版を若い頃に愛用していた人間には楽しい端末だ。バッテリーの持ちが良く、耐久性もそこそこあるので、たとえば数日間キャンプに行くときに予備として持参するにはいいだろう。

 個人的には、こうした最低限の機能しかないフィーチャーフォンをメインで使いたいとは思わない。スマートフォンなしの生活は、想像以上にやっかいなものだ。それでも、ソーシャルメディアから一時的にどうしても距離を置きたいなら、新Nokia 3210は良い選択肢になるかもしれない。

Nokia 3210

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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