欧米では最近、ドゥームスクローリング(悪い情報だけを検索し続けて悪循環に陥ってしまうこと)から逃れながら、人とのつながりを維持することができる「ダムフォン」が若者たちの間に流行している。そんな中、フィンランドの携帯電話メーカーであるHMD Globalは、「Nokia 3210」を発表した。
ダムフォン(dumb phone)とは、通話やメールなどの最低限の機能を備えた、スマートフォン以前の携帯電話に似た端末のことで、「アホ携帯」と訳されることも多い。HMD Globalはこの市場をリードする企業で、ユーザーのノスタルジーや、画面を見ている時間が長すぎることを懸念する若者の心に訴えかける、幅広い人々が魅力を感じるさまざまなダムフォンを作っており、2024年だけでも、Mattelとの提携によるバービー人形のコラボ折り畳み携帯電話や、Heinekenブランドの「Boring Phone」(「退屈な携帯電話」を意味する)を発表している。
今回のNokia 3210には、90年代には存在しなかったフルカラーのスクリーンと4Gが搭載されており、200万画素のカメラとライトも付いている。バッテリーは通話なら9.5時間、待ち受けなら「数日間」は持つ。何よりの魅力はその安さで、価格は75ポンド(約1万5000円)だ。
HMD Globalの最高マーケティング責任者(CMO)Lars Silberbauer氏は発表の中で、「消費者が画面を見る時間とデジタルデトックスのバランスを取ろうとして、世界的なダムフォンブームが起きている中、その頂点に文化的アイコンであるNokia 3210が戻ってきた」と述べた。
最初のNokia 3210を知っている人(つまり筆者だ)であれば、この機種が当時の「iPhone」的存在だったことを覚えているだろう。
Nokia 3210にスポットライトが当たったのは、2024年が初代の発売から25周年にあたるためだ。かつてのNokia 3210は外装が交換できたことでよく知られており、外見をカスタマイズすることができた。一方、今回発売されるモデルは、スキューバブルー、グランジブラック、Y2Kゴールドの3色展開となっている。
ダムフォンは必ずしも万人向けではないが、現代の子供に与える最初の携帯電話としては適している。またバッテリーが長持ちするため、フェスやその他のイベントなど、世間とのつながりを維持しつつもその瞬間の出来事に集中したい場合の二次的な手段としても最適だと言えるだろう。
Nokia 3210この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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