飲食店の廃食油を持続可能な航空燃料へ--力の源HDとENEOSが提携

 力の源ホールディングスとENEOSは5月29日、廃食油を「持続可能な航空燃料」(Sustainable Aviation Fuel:SAF)の原料として活用する基本合意書を締結したと発表した。

 力の源ホールディングスは、自社傘下の「力の源カンパニー」と「渡辺製麺」が運営する「一風堂」、「因幡うどん」、「そば蔵」の店舗および各子会社の自社工場で排出される廃食油を回収し、SAFへとリサイクルする仕組みを構築するとしている。将来的には、ENEOS和歌山製造所で事業化を進めるSAFの製造プラントで、回収した廃食油を原料として使用する予定だという。

廃食油活用の流れ(イメージ) 廃食油活用の流れ(イメージ)
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 SAFは、廃食油、サトウキビ、都市ごみ、廃プラスチックを用いて生産され、原油から精製される従来のジェット燃料と比較すると、約60~80%のCO2削減効果があるとされている。日本国内では2030年時点で、国内航空産業における燃料使用量の10%をSAFに置き換えるという導入目標が掲げられている。

 力の源ホールディングスによると、廃食油は揚げ物などの調理に使用された食用油の総称で、国内では食品工場や飲食店、スーパー、コンビニ、家庭などから年間約50万トンが排出される。飲食店や工場などから排出される事業系廃食油のうち、飼料用途などにリサイクルされているものもあるが、一部は国内で活用されず輸出または廃棄されているという。世界ではこのような廃食油を活用したSAFの生産が行われており、国内でも回収と活用の取り組みが広がっている。

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