ネコ型配膳ロボット「BellaBot」などを手がけているPudu Roboticsは、同社初の産業用ロボット「PUDU T300」を発表。中国や欧米などグローバル市場においてはすでに販売されており、7月からの出荷を予定。日本での販売開始時期は現在調整中という。
PUDU T300は、あらゆる製造現場において、物資や材料の輸送に役立つよう設計。生産ラインへの物資や材料の供給、生産ゾーン間での輸送、品質チェックのためのサンプルの輸送などを容易にし、従業員の業務を効率化させる。また、機動性にも優れ、製造現場特有の狭い通路を巧みに移動できるとうたっている。
PUDU T300では、PUDU独自のマーカーなしでのナビゲーションを可能にする高度な視覚測位システム「PUDU VSLAM+テクノロジー」に基づいて構築。これにより、ロボット導入の障壁となる設備の再構築や用地の改造が不要となっており、容易に導入が可能。既存のワークフローにも迅速かつスムーズに適応ができ、生産レイアウトの変更にも迅速に適応できるという。
60cmの狭いスペースを移動でき、2cmの敷居と3.5cmの側溝を越える能力を搭載。IoT機能としても、自己構成ネットワークにより、アプリを介した電話操作や生産ラインからの資材リクエストに対応可能。ゲートへの安全なアクセス、エレベーターの自動昇降も可能。高輝度の操作表示灯と交通信号灯のデザインにより、ロボットの位置と走行進路が明確に表示。自動再充電とバッテリー交換機能を備えており、24時間365日の連続稼働が可能となっている。無人搬送車や無人搬送システムに適用される国際安全規格「ISO3691-4」に準拠しており、LiDAR、深度カメラ、衝突防止エッジ、安全な操作のための緊急停止ボタンが付いている。
同社では、世界中の製造業者が、変化の激しい市場の需要を見極めるのに苦労しており、生産のばらつきが課題となっていることを指摘。より素早く正確で、柔軟な生産ラインを構築することが重要になってくという。また国内において「2024年問題」を背景に、倉庫などの物流現場においても人手不足がより顕在化し、社会問題となっている。政府の巨額支援により、半導体や半導体関連装置・材料メーカーの工場が各所に増設予定となっており、工場内での人手不足・業務効率化のニーズの高まりが予測されるという。
こうした背景をもとに、PUDU T300を日本市場へ投入するという。倉庫や工場においても、配膳ロボットや清掃ロボットの設計・製造・販売において培ったノウハウや実績をもとに、人間の生産・生活の向上へと繋がるさらなる価値を提供していくとしている。
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