Googleは人工知能(AI)で検索結果の概要を表示する機能の提供を拡大しているが、今問題になっているのは、これが果たして良いアイデアだったのかということだ。
ソーシャルメディアではここ数日、Googleの「AI Overviews(AIによる概要)」に表示されたという非常に奇妙で誤った答えをユーザーらが投稿している。Googleに質問したユーザーらは、まるで別の現実から来たような、AIによる回答を受け取った。
例えば、AIはある人物の「岩を何個食べるべきか」という質問に対し、 「カリフォルニア大学バークレー校の地質学者によると、1日に少なくとも1つの小さな岩を食べるべきだ」と答えた。どうやら人気ユーモアサイト「The Onion」の記事を参考にしたようだ。
ピザ好きのネットユーザーの心をつかんだものでは、ピザからチーズが落ちないようにする方法を質問した人に、「ソースに無害な接着剤を1/8カップほど加えると、粘着性が増す」と答えたものがある。
Googleは別の誤った回答で、人種差別的な陰謀論を披露した。「米国には2009年から2017年まで在任したBarack Hussein Obamaというイスラム教徒の大統領がいた」というものだ。Obama元大統領はキリスト教徒である。
腎臓結石を流し出す方法に関する質問への回答では、多くの水分を取るようにとのアドバイスに続けて、尿を飲むことを勧めている。「24時間ごとに少なくとも2クォート(2リットル)の尿を飲むことを目標にすべきだ」という。
米CNETがコメントを求めたところ、Googleの広報担当者は、Obama元大統領がイスラム教徒であると主張する検索結果について特に言及し、「この特定の概要は当社のポリシーに違反していたため、削除した」とした。
この広報担当者は、GoogleのAIによる回答は「大多数」が正確な情報を提供していると弁明した。また、投稿された突飛な回答がすべて本物かどうかについても疑問を呈し、いくつかの例は加工されていたり、Googleの従業員が社内で再現できなかったりしたと述べた。
「この新たな体験を提供開始する前に広範なテストを行い、Google検索で提供開始した他の機能と同様に、フィードバックに感謝している」とGoogleは述べた。「当社のコンテンツポリシーの下、適切な場合には迅速に対処し、これらの例を生かして当社のシステムに対するより幅広い改善に取り組み、その一部はすでに提供を始めている」。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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