沖電気工業(OKI)は4月16日、京都大学などとの共同研究成果を活用しスリープテック事業に参入する。行動変容技術を活用し、睡眠習慣を改善する行動変容サービス「Wellbit Sleep」の販売を開始した。
Wellbit Sleepは、利用者がコミュニケーションサービス「LINE」などのスマートフォンアプリに、日々の睡眠時刻や睡眠に関するアンケートを入力することで、パーソナライズされた行動アドバイスのメッセージが受け取れるクラウドサービス。健康増進サービスを提供しているサービス事業者向けに、6月からサービス提供を開始。スリープテック事業として、2026年度までに年間2億円の売上を目指すという。
現在の日本においては、一般成人の30〜40%が睡眠に悩みを有しており、昼間の生活や労働に支障が出ることが問題視されている。また、睡眠に対する問題意識があっても、医療機関を受診しない人が多くいる。そこで同社は、多くの人の健康的な睡眠を支援し、元気に働ける日本社会を支えるため、2020年度より京都大学および、ヘルステック研究所との共同研究を開始。スマートフォンを活用し、健康的な睡眠習慣を支援するアプリケーションを共同開発してきた。
Wellbit Sleepには、同社が行動変容技術に基づいて独自開発した行動変容プラットフォーム「Wellbit」に、共同研究の成果である睡眠医学の知見「メッセージ規則」を搭載。利用者の睡眠データをもとに、最適なタイミングで健康的な睡眠につながる行動を判断し、個別に提案する。4週間の短期間から利用できること、利用者の負担が比較的少なく取り組めることなどが特徴だという。
また、京都大学は、睡眠に問題意識を持った労働者を対象とした臨床試験を実施。同試験では、睡眠の自覚が改善されることを確認したという。加えて、2023年度に同社グループの社員200名を対象に実施した4週間の試験利用では、実験参加者全体の生産性向上を確認。同社では、短期間で睡眠習慣の改善支援ができたことや、プレゼンティーイズムの計測で損失の削減が計測できたことなど、社員に対して睡眠の重要性を伝えるツールにもなったことを評価しているという。
同社グループでは、2024年度も引き続き、社員の睡眠改善に取り組む予定だとしている。
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