VUILDは4月8日、デジタル家づくりサービス「NESTING(ネスティング)」において、プラモデル感覚で家が建てられる住宅キットの提供を開始した。
NESTING住宅キットは、3D CADなどのデータを、3Dプリンタや木材加工機械で読み込んで造形するデジタルファブリケーションにより、施主が主体となって家を建てることができるというもの。香川県・直島に竣工した第1棟目では、施主の友人とともに、2日間で構造駆体部分の工事が完了したという。
キットは木材のデジタル加工機「ShopBot」を用いて加工し、複雑な接合部やビス打ちの下穴、組立順序を示す番号を付ける。キットには、基礎工事部材や断熱材、仕上げ材なども組み込まれ、各部材は人が持てるサイズに分解して設計するため、クレーンなどの重機は不要となる。
施工は、「設計」「部品加工」「基礎工事」「躯体工事」「内装工事」「電気・給排水設備工事」の工程。番号とビス穴を確認しながら部材を組み立てることにより、未経験の施主でも施工することが可能だ。
設計は、「NESTINGアプリ」上でグリッドを操作しながら検討可能。設計担当とのワークショップを行いながら、理想の住環境を作り込んでいく。なお、キットとして定められているのは建物の基本形状のみで、広さや間取り、内外装の素材などは、施主自身がNESTINGアプリを使って自由にカスタマイズすることができる。
設計完了後、VUILDが材料の製材を調達し、ShopBotを使って木材加工、壁や天井となるパーツを製造する。基礎工事には、一般的な住宅の基礎のようにコンクリートの打設は行はず、電動工具で杭を打ち込むDIY可能な杭工法となる。
躯体工事は、基礎工事で打ち込んだ杭の上に、床、柱、屋根の順でキットの木材パーツを組んでいく。1あたりのパーツは10kgとしているため容易に持ち運ぶことができる。内装工事では、断熱材を挟み、あらかじめパーツ化した壁や天井、建具を取り付け、塗装を行う。電気・給排水設備は、施主またVUILDがプロに依頼する。
VUILDでは、人材不足と資材高騰により、今後も建築費の高騰が予想される家づくりにおいて、未経験の施主でも施工に参加する家づくりの在り方が、建設業界の人材不足問題を解決するのではないかとしている。
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