LIFULLは10月12日、「21世紀型社会」の共創・実証実験・社会実装を推進している、リビングラボ「ナスコンバレー」の実証フィールドである栃木県那須地域において、空き家となっている築古の別荘をデジタル技術により再生し、貸別荘として不動産のバリューアップを図るプロジェクトの実証実験を開始したと発表した。
プロジェクトの第1弾として、出資先として関わるVUILDと共同で、デジタル木材加工技術を用いた組み立て式のサウナユニットを開発。同日より、プライベートサウナ付き貸別荘として運営を開始する。
サウナユニットの開発には、VUILDが導入している木材の3D加工機「ShopBot」を採用。複雑な曲線も設計データ通りに切り出すことが可能で、完成したサウナユニットは、フリーハンドで書いた曲線がそのまま断面形状に現れたような、ユニークな外観が特徴だ。
断熱材をあらかじめユニットに組み込むことで、高い断熱性を実現。部材をユニット化、組み立て式にすることで、現場での手間と作業手順を削減し、施工が容易な仕様となっている。
サウナユニットの木材は、栃木県産の杉材を使用。地域で採れた木材をその地域で加工することで、木材の輸送距離を短縮し、建設時のCO2排出量の低減を図った。今後の展開においても、自律分散型の生産ネットワークを活用し、地域の木材の地域における活用を推進するとしている。
今回の取り組みでは、LIFULLが別荘物件の選定・購入・リノベーションを行い、プライベートサウナを付帯するという、付加価値をつけて宿泊施設に再生する。
物件のリノベーションは、a-tech(エーテック)が担当し、3Dスキャンによる現況データを用いて、遠隔での打合せや見積作成など、設計・施工のプロセスを効率化する実証実験を行った。
貸別荘の運営および販促活動は、別荘地「那須ハイランド」の販売・管理実績を有する協業パートナー、日本テーマパーク開発のグループ会社である藤和那須リゾートが担当する。
実証実験の終了後は、中古別荘として販売予定。物件オーナーは、利用しない期間に貸別荘として貸し出すことで、収益が期待できるとしている。
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