高機能素材メーカーのアイ. エス. テイは3月14日、ペロブスカイト太陽電池を研究する桐蔭横浜大学宮坂研究室と共同で、透明ポリイミドロールフィルムを用いたペロブスカイト太陽電池の開発に着手したと発表した。
アイ. エス. テイによると、クリーンで持続可能なエネルギー源としてペロブスカイト太陽電池が注目される一方で、ペロブスカイト太陽電池の発電効率向上には200度以上の高温処理が必要であり、既存製品のPETフィルム基板を用いた場合、耐熱性の不足により、十分な性能を発揮できなかったという。
今回の共同研究では、ペロブスカイト太陽電池の基板に、アイ. エス. テイ開発の透明ポリイミドロールフィルム「TORMED(トーメッド)」を採用。高温処理に耐えることが可能となり、ペロブスカイト太陽電池の性能向上が期待できるとしている。
TORMEDは、宇宙でも使用されるポリイミド樹脂を素材としながら、一般的なポリイミド製品と比較し、全光線透過率88%以上の高い透明性を持つ。また、耐屈曲性が高く、酸・アルカリ、各種溶剤に対しても耐性があるのが特長で、従来からの用途である透明フレキシブルプリント基板(FPC)以外にも、スマートグラスやタッチパネル、次世代ディスプレイ(MiniLED、MicroLED)など、さまざまな機器への用途を想定している。
なお、アイ. エス. テイは、高機能素材の開発・製造・販売を手がける会社。高耐熱素材のポリイミド樹脂のほか、不燃・高強度・高耐久を兼ね備えた高機能複合繊維、特殊な紡績技術によるウール・綿・麻などの高付加価値な繊維素材を開発している。
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