リコーは2月1日、リコージャパンとともに、東京大田区の馬込第三小学校、および神奈川県の厚木市役所本庁舎において、屋外における「ペロブスカイト太陽電池」の実証実験を開始すると発表した。
ペロブスカイト太陽電池は、有機材料で作られているため軽量で、照度の低いエリアや垂直設置でも発電を可能としている。リコーによると、既存のシリコン系太陽電池に代わる発電技術として注目される一方で、屋外での耐久性には、まだ課題があるという。
リコーは、複合機の開発で培った有機感光体の技術を応用し、低照度の室内光でも発電する、固体型色素増感太陽電池を販売している。今回の実証実験では、屋外に設置した小型の街灯(庭園灯)に、ペロブスカイト太陽電池とセンサーを搭載し、発電した電気を使って、夕方から夜間の街灯として点灯。温度・湿度・照度など、さまざまな環境におけるペロブスカイト太陽電池の発電量や、耐久性などの特性データを収集する。
馬込第三小学校では、1月31日より2025年1月30日までを実証期間とし、子どもたちの次世代太陽電池・エネルギーの関心が高まるよう、課外授業も含めた取り組みを進める予定。
厚木市役所では、3月1日より2025年2月28日を実証期間とし、本庁舎前における実証を通して、市民に先進的な取り組みを紹介するとともに、道路や公園での活用に向けたデータの計測等の実証を行う。
なお、本実証実験おいては、リコーおよびリコージャパンに加え、因幡電機製作所、竹中製作所、立花電子ソリューションズ、大阪エヌデーエスの4社も連携する。
リコーは実証のマネジメント、およびペロブスカイトの開発・製作を担当。リコージャパンは顧客総合窓口、および企画調整を担当する。因幡電機製作所は、街灯照明および筐体部分の開発・製作と、実証機の組立て・製造を担当。竹中製作所は、街灯用の制御回路基板を開発する。
立花電子ソリューションズは、センサー基板に関わるハードウェア・ソフトウェア販売の窓口を担当。大阪エヌデーエスは、センサー基板ファームウェア開発、およびセンシングデータのクラウドアプリケーション開発に加え、クラウドインフラ構築を担当する。
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