北海道大樹町に拠点を置くインターステラテクノロジズ(IST)は1月24日、国内民間初をうたう小型衛星コンステレーション用大型ロケット「DECA」(デカ)の開発計画に着手したと発表した。2030年代の実用化をめざす。
DECAは、小型衛星コンステレーションの形成だけでなく、大型衛星の軌道投入や宇宙ステーションへの物資輸送にも対応する。また、ISTの完全子会社であるOur Starsが提供を目指している、超小型衛星を用いたフォーメーションフライトの構築も担う。
サイズはSpace Exploration Technologies(SpaceX)の「Starship」より少し小さい程度を想定する。打ち上げコストは「H2ロケット」の10分の1程度を目指しており、コスト削減のためロケットの1段目は再使用型とする。
製品名の由来は、国際単位系におけるSI接頭語「DECA」で、「10倍」を意味している。同社の小型ロケット「ZERO」から「桁が上がるほどの進化」(代表取締役社長を務める稲川貴大氏)を表すほか、開発拠点である北海道十勝地方の「10」、さらに、2023年はISTの事業開始から10年目であるという意味も込めている。
ISTは2019年、日本の民間企業として初めて観測ロケット「MOMO」の宇宙空間への打ち上げに成功。現在は、超小型衛星を宇宙空間に投入できる次世代ロケット「ZERO」の2024年度の打ち上げを目指している。DECAはそれに続く構想となる。
加えて、傘下のOur Starsでは、自社開発の超小型衛星のフォーメーションフライト(編隊飛行)により、低軌道から地上のスマートフォンに100Mbps超の通信を提供を構想している。
ISTはDECAの実用化によって、SpaceXが傘下の衛星通信サービス「Starlink」で実施しているような、ロケットと衛星の垂直統合の強みを生かした、自由度の高い大量打ち上げの実現を目指す。
(この記事はUchuBizからの転載です)
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