三井不動産は1月11日、東京都中央区日本橋にて推進中の「日本橋本町一丁目3番計画(仮称)」(以下、本計画)について、1月4日に着工したと発表した。設計施工は竹中工務店が実施し、2026年9月に竣工の予定。
本計画は、地上18階建、高さ84m、延床面積約2万8000平米の木造賃貸オフィスビルを建設するというもの。三井不動産によると、国内最大かつ最高層のハイブリッド木造建築物となる。躯体に木材を使用することで、同規模の一般的な鉄骨造オフィスビルと比較し、建築時のCO2排出量の約30%削減が期待できるという。
竹中工務店が開発し大臣認定を取得した耐火・木造技術等を導入し、主要な構造部材および、内装や仕上げ材に木材を活用。エントランスホールの壁には三井不動産グループの保有林の木材を使用し、天井には三井ホームが保有する木接合技術を活用する。
また、本計画では、「日本橋に森をつくる」のコンセプトのもと、約480平米の緑地を整備し、緑豊かな歩行空間を創出する予定。屋上には、有機質肥料を用いた水耕栽培システム、および空調設備の省エネ効果が期待できる室外機芋緑化システムを導入する予定だ。
さらに、環境配慮型オフィスビルへの取り組みとして、東芝エネルギーシステムズと連携し、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実装およびシステムを構築。フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、フィルム基板上に印刷技術を用いて作製する、軽量かつフレキシブルな太陽電池として注目されている。本計画の実証実験の結果は、従来型の太陽電池では困難であった、新たな用途への適用に貢献することを目指すとしている。
そのほか、CO2を吸収する鉱業副産物の特殊材を搭載した、アサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」を共用部に設置するのに加え、竹中工務店のモデルプロジェクトとして、既存建物の廃材や新築工事の端材を活用する、「建築廃材のアップサイクル」にも取り組む。
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