パナソニック 空質空調社は3月6日、インドネシアで水ソリューション事業を拡大すると発表した。配管清掃などサービス事業と組み合わせて展開し、水質の悪い井戸水を軟水化し、水課題に対するソリューションを提供する。
インドネシアでは、人口の約70%が水質の悪い井戸水を洗濯やシャワーなどの生活用水として使用しており、公衆衛生面で懸念があるとのこと。水質はカルシウムとマグネシウムを多く含む硬水で、洗濯物が固くなる、シャワーでの不快感、キッチンや食器への水垢の付着などの不便さがあった。
パナソニック 空質空調社では、4月に、井戸水に含まれる鉄分やバクテリアを除去するセントラル水浄化機器「FP-15AM1」、8月に、硬水を生活に使用しやすい軟水に変える軟水機「FP-RS10U1C」を市場に投入する。
セントラル水浄化機器は、従来モデルに比べ、最大設置面積を50%削減したコンパクトサイズがポイント。今まではそのサイズから、室内置けないケースもあったが、今回の小型化により、室内設置が可能になったという。
鉄分の除去には、鉄分を高速で酸化させ、フィルターでキャッチすることで除去するコア技術を採用。8月にオプション発売する前処理フィルターをつけることによって、超高濃度の水質でも対応可能としている。
あわせて、4月には「配管清掃サービス」の提供も開始する。井戸水が通っていた配管には鉄分などの汚れが蓄積され、浄化された水を通しても濁りなどの原因になるため、事前に清掃することで、蛇口まで浄化された水を届ける。
パナソニックでは、インドネシアで、1988年に井戸水を汲み上げるポンプの販売を開始し、水事業に参入。2020年には、質の高い水を提供するソリューションとして、セントラル浄水システムを発売している。パナソニック・ゴーベル インドネシア 社長の中川敬介氏は「セントラル浄水システムの新商品を発売することで、井戸水に含まれる鉄分やバクテリアを除去できる。これに加え、配管清掃サービスなどを組み合わせ、安心安全で信頼性の高いソリューションを提供できると考えている」とインドネシアにおけるパナソニックの役割について話した。
今回の新製品により「濁りや匂いが生じる水トラブルの原因は鉄分。セントラル水浄化機器と軟水機により、水垢がつかなくなったり、軟らかい水でシャワーを浴びたりできる。さらにきれいな水をタンクに供給できる」(パナソニック 空質空調社副社長の小笠原卓氏)と水トラブル解決に結びつける。
パナソニックでは、今後は2027年までに34億円を投じ、水事業を積極的に展開していくこと。まずインドネシアの水に関する困りごとを解決し、同じ需要がある他国へ広げたいとしている。
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