NTTドコモは3月6日、オリックス傘下のオリックス・クレジットを同社の連結子会社にすることを発表した。
オリックスとの2社間で株式譲渡契約を、またオリックス、オリックス・クレジットとの3社間で株主間契約を、それぞれ同日に締結。株主間契約においては、ドコモとオリックス・クレジットの資本業務提携も合意したという。
同日を譲渡契約日、3月29日を譲渡実行日とし、オリックス所有の発行済み株式をドコモに譲渡する。出資金額は792億円で、譲渡後はドコモが66%、オリックスが34%という株式比率になるとしている。
今回の業務提携により、(1)「dスマホローン」事業の更なる拡大に向けた、与信力強化・オペレーションの高度化、(2)顧客のライフステージやニーズに応じた、新たなローン商品の共同開発・販売、(3)ドコモのメディアや販売チャネルを活用した、オリックス・クレジットの既存事業の強化、(4)両社のデータを活用した、一人一人への最適な商品の提案、(5)その他新規事業開発・販売等に係る協業――の5つの業務提携の実施について、検討を進めるという。
ドコモは「dカード」「d払い」を中心とした金融・決済領域を事業の柱に取り組みを進めるなか、2022年7月に個人向け無担保ローンサービスとしてdスマホローンを開始。累計貸付実行額は2024年2月に370億円を達成したという。
ドコモの持つ「dポイントクラブ」の9876万人という国内最大規模の会員基盤と、オリックス・クレジットが長年培ってきた融資事業のオペレーション力、個人向け融資の与信ノウハウ、融資分野における新サービス開発力などの強みを掛け合わせ、顧客のライフステージに合わせた、より幅広い金融サービスの提供を目指すとしている。
NTTドコモ 執行役員 スマートライフカンパニー 統括長を務める江藤俊弘氏は、「もっと多くの顧客にご利用いただきたい、という思いが提携のきっかけになった。ローン(事業)を展開するなかで顧客の声を聞き、多様なローンのニーズがあることを感じた。オリックス・クレジットの商品開発力を生かし、商品をどんどん増やしていきたい。(両社の)データをまとめて1つにして分析することで、一人一人への最適な商品を提案したい」と話す。具体的には、現在ドコモとして未提供の住宅ローンなどが視野にあるようだ。
「個人的には、無担保ローン(分野)での1位は楽天銀行と捉えている。いち早く追いつき、追い越したい」(江藤氏)
また、オリックス 執行役 渡辺展希氏は、「株主の移動は生じるが、社名や代表、サービス内容の変更、人員整理等のリストラは予定していない」と補足した。
【追記:3月6日17時05分】会見の補足内容を追記しました。
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