本田技研工業(ホンダ)は、電気自動車(EV)としても充電可能な水素燃料電池車(FCEV)「Honda CR-V e:FCEV」を発表した。日本で2024年夏に発売する予定。北米でも2024年中に販売を始める。
CR-V e:FCEVは、「日本の自動車メーカーが発売するモデルとして初めて」(ホンダ)プラグイン充電機能を備えるFCEVだそうだ。水素の充填時間は約3分で済み、600km以上の走行が可能という。200V時の充電時間は約2時間半で、EV走行可能距離は60km以上。水素充填時間の短さおよびFCEVの長い航続距離による「ストレスフリーな長距離ドライブ」と、家庭や外出先で充電しやすいAC充電機能の「日常走行」を両立させるという。
燃料電池システムの出力は92.2kW。EV用モーターは、最大出力が174hp、最大トルクが229ポンド・フィート(約310.52Nm)。水素タンクの充填圧力は1万psi(約68.9MPa)、充填量は4.3kg。バッテリー容量は17.7kWh。
搭載する燃料電池システムは、General Motors(GM)と共同開発し、合弁会社の米Fuel Cell System Manufacturing(FCSM)で生産する。FCEV「CLARITY FUEL CELL」(2019年モデル)に搭載していた従来のシステムと比べ、耐低温性が向上し、耐久性が2倍に高まり、製造コストが3分の1で済むとしている。
ベース車両は、北米や中国などで販売している6代目「CR-V」。燃料電池システムを含むパワーユニットの一体化で小型軽量化が実現し、CR-Vのエンジンマウントをそのまま活用できたそうだ。
AC充給電コネクターは「SAE J1772」で、家庭のACコンセントに接続して充電できる。AC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector」を接続すると、外部機器へ最大1500WのAC給電が可能。さらに、日本仕様車は荷室内にCHAdeMO方式DC給電コネクターを備え、「Power Exporter e:6000」や「Power Exporter 9000」を接続すると、高出力の電力供給が行える。
ホンダは、2050年までにすべての製品と企業活動でカーボンニュートラル実現を目標としている。2040年には北米で販売する自動車をバッテリーEV(BEV)と燃料電池車(FCV)のみにする計画。
正式発表前に公開していた紹介ビデオ(出典:ホンダ/YouTube)
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