大和ハウス工業と光優は2月21日、神奈川県横浜市西区みなとみらいにおいて、世界初のゲームアートミュージアム、地域熱供給プラント、オフィスを併設した「みなとみらい21中央地区52街区開発事業」について、2月22日に着工したと発表した。
同事業は、ミュージアム棟(地上3階建て)、オフィス棟(地上29階、地下2階、塔屋:屋上から突き出した部分の6階建て)、地域熱供給プラントを開発するプロジェクト。竣工は、2027年5月を予定している。
1983年から開発が始まった「みなとみらい21地区」は、多くの企業や商業・文化・娯楽施設、大型国際会議場が集積。公園や緑地、ウォーターフロントの景観を生かした街並みが整備され、就業、賑わいの場を創出している。約186万平方メートルある地区全体のうち、開発可能な宅地の開発進捗率は約96%と、街の完成が近づいているという。
今回、本格着工する同事業は、「中央地区」「新港地区」「横浜駅東口地区」から構成される「みなとみらい21地区」の中で一番広い「中央地区」での開発となる。敷地の南側には、ゲーム会社であるコーエーテクモホールディングスの親会社にあたる光優ホールディングスのグループ企業である光優が事業主体となって開発するゲームアートミュージアムを設置。ゲームの映像やキャラクターデザイン、メインビジュアル、サウンドなど、さまざまな要素をアートとして捉え、展示やCG技術を使用した体験などを提供。世界中のゲームファンが集う場所となることを目指す。外観デザインは螺旋状とし、生命をイメージ。ミュージアムの外にあるアートガーデン(約3,000平方メートル)については、日中は四季折々の植物を楽しめる空間。夜は、プロジェクションマッピングを使用し、ゲームの世界観を演出する予定。
敷地の北側には、さまざまな業種に対応可能なオフィスと店舗などを構えるオフィス棟を設置。オフィス棟の4〜29階は、1フロア当たり約2,700平方メートルの無柱空間となっており、柔軟なレイアウト変更に対応。複数階を連続使用する場合は、専有部に専用内階段を設けられるという。18階と24階の2フロアは、床下30cm、天井高400cmを確保。大型の什器や設備も配置できるフレキシブルフロアとし、ラボやテストキッチンなど、さまざまな業種に対応可能な事務所となっている。
1階は店舗と駐車場、2〜3階はカフェや店舗、ワーキングラウンジなどの交流の場を充実させ、人や知識が出会い、新しいアイデアを創出する「イノベーションプラットフォーム」の運用を目指す。あわせて、災害や事故が発生した際、事業が早期復旧できるように、免震システムを導入。加えて、非常用発電機や貯水タンクを設けることで、電力や水などは連続72時間使用可能な計画としている。水や食料、毛布など、備蓄した防災倉庫も設置予定。また、ミュージアム棟とオフィス棟の間にデッキを設け、周辺の街区との繋がりも形成している。
オフィス棟の屋上には、太陽光発電設備を設置するとともに、建物環境性能の評価において高水準となる「ZEB Oriented」をはじめ、環境性能の高評価を目指し、脱炭素社会の実現に繋げる方針。地下には、脱炭素社会の実現に向け、みなとみらい二十一熱供給が運営する地域熱供給プラントを設置。高効率な地域冷暖房システムを用いて、みなとみらい21中央地区全体にエネルギーの安定供給を行い、街の環境性向上を目指す。
なお、今回整備するプラントは、みなとみらい21中央地区内3カ所目のプラントになる。今後、供給エリアが拡大した場合でも、同地区内の熱供給の約20%を供給できる大規模なプラントになるという。
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