「ウマ娘」5th EVENT 第3公演で見た“お祭り娘がセンターでけん引し続けた姿”

 CNET Japanの編集記者が気になる話題のトピックなどを紹介していく連載「編集記者のアンテナ」。主にゲームなどのエンターテインメント関連も取材している佐藤が担当。今回は、2月3日と4日に東京都の有明アリーナにて行われた、「ウマ娘 プリティーダービー」(ウマ娘)をテーマにしたライブイベント「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -YELL-」(5th EVENT 第3公演)の模様をお届けする。

「ウマ娘」初のアリーナツアーの折り返しとなる第3公演が有明アリーナで開催。東京では約2年ぶりの公演となった
「ウマ娘」初のアリーナツアーの折り返しとなる第3公演が有明アリーナで開催。東京では約2年ぶりの公演となった

 「ウマ娘」は、Cygamesがゲームやアニメなどで作品展開を行っているクロスメディアコンテンツ。スペシャルウィークやトウカイテイオー、オグリキャップなど実際に活躍した競走馬をモチーフに、その名前と魂を受け継いだ“ウマ娘”たちが活躍する姿を描いている。互いに切磋琢磨しレースを繰り広げるだけではなく、レース後にはファンと喜びを分かち合うライブステージ「ウイニングライブ」を行うという世界観も持っている。

 ウマ娘たちの声を担当しているキャスト陣がステージに立ち、ウイニングライブをほうふつとさせるようなライブイベントも、2017年から開催。5th EVENTでは、ウマ娘初のアリーナツアーを展開。すでに第1公演「WISH」が2023年7月に、第2公演の「GAZE」が同年9月に開催。年をまたいだ第3公演を経て、2024年3月には大阪城ホールで第4公演「NEW GATE」が開催予定となっている。

 第3公演でも両日ともに20名以上のキャストが出走(出演)したほか、シークレットゲストも登場。そして会場には多くの“トレーナー”(※ゲームにおけるプレーヤー、ウマ娘のファンのこと)が来場した。また、公演の模様はオンラインでの有料配信も実施。会場のモニターや配信の映像には、ドローンカメラを使った迫力ある映像を映し出していた。

「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -YELL-」DAY1出走者(※敬称略)

和氣あず未(スペシャルウィーク役)、Machico(トウカイテイオー役)、高柳知葉(オグリキャップ役)、田所あずさ(シンボリルドルフ役)、長谷川育美(ミホノブルボン役)、石見舞菜香(ライスシャワー役)、井上遥乃(イナリワン役)、優木かな(スーパークリーク役)、天海由梨奈(ミスターシービー役)、前田佳織里(ナイスネイチャ役)、遠野ひかる(マチカネタンホイザ役)、田澤茉純(イクノディクタス役)、立花日菜(サトノダイヤモンド役)、矢野妃菜喜(キタサンブラック役)、春川芽生(シンボリクリスエス役)、鈴代紗弓(サトノクラウン役)、夏吉ゆうこ(シュヴァルグラン役)、奥野香耶(ヴィルシーナ役)、伊藤彩沙(ヴィブロス役)、菊池紗矢香(ホッコータルマエ役)、MAKIKO(サウンズオブアース役)、田辺留依(ロイスアンドロイス役)、藤原夏海(カツラギエース役)、秋奈(ドゥラメンテ役)

【実況】明坂聡美(実況役)
【ナビゲーター(シークレットゲスト)】水橋かおり(秋川やよい役)
【ダンサー】ウマ娘ダンサー

 DAY1の開演前には、公式YouTubeチャンネル「ぱかチューブっ!」の出張版として、シュヴァル、ヴィブロス、ヴィルシーナが登場するコール&レスポンス動画が上映され、会場をあたためていく。さらに出走(開演)時間が迫るなかで、明坂さんが出走直前の様子を直前レポートするコーナーも。ここでは田所さんと天海さんが衣装をマントで隠しつつ登場し、意気込みを語る。さらに「天晴ッ!」と書かれた扇子を持った手が横から登場。姿は見せないままレポートは終了しつつ、ステージに設けられた実況・解説ブースにライトがあたると、トレセン学園の理事長である秋川やよい役の水橋さんが登場。シークレットゲストということもあり、大歓声で迎えられた。

 水橋さんによる注意事項などを伝えるアナウンス、そしてオープニングムービーとともにOvertureが流れ、ウマ娘ダンサーのパフォーマンスも行われた後にカウントダウンが入り、ライブが開始となった。

OVERTURE(DAY1)
OVERTURE(DAY1)

 第3公演のオープニングナンバーは「Comeback Story V」。赤と黒を基調として高貴な雰囲気漂う衣装「Notes of Grandeur」をまとってキャスト陣が登場。間奏では自己紹介を交えつつ、楽曲を高らかに歌っていた。

「Comeback Story V」(DAY1)
「Comeback Story V」(DAY1)

 実況役の明坂さんの進行によるMCパートでは、それぞれにライブへの意気込みなどが語られる。なかでも「YELL」にちなんで、遠野さんはハチマキ姿の“チアマチタン”(「[ブルー・タービュランス]マチカネタンホイザ」)、前田さんはポニーテールの“チアネイチャ”(「[RUN&WIN]ナイスネイチャ」)と、いつもとは違う髪型にしていたことを説明したり、前田さんと石見さんが2人で“ライスネイチャ”として挨拶して笑いを誘う一幕も。また当初出走が告知されていたタニノギムレット役の松岡美里さんが、体調不良で出走見送りとなりつつも、いくつかの楽曲ではリハーサルで収録した歌声を使用することがアナウンスされていた。

 ナンバリングイベント初出走メンバーの5人がステージに残り、歌ったのは「Make debut!」(奥野さん、伊藤さん、MAKIKOさん、田辺さん、秋奈さん)。TVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー」第1期のオープニングテーマを歌うなかで、途中からは呼びかけもあって、サビではトレーナーさんと大合唱し、一体感を高めていく。続けての「WINnin' 5 -ウイニング☆ファイヴ-」(高柳さん、長谷川さん、石見さん、井上さん、優木さん、天海さん、前田さん、遠野さん、田澤さん、藤原さん)は10人によるステージでにぎやかに彩っていく。

 ここからは、ショートアニメシリーズ「うまゆる」の楽曲が続けて披露。まずは第5弾主題歌「Bright Melody」(Machicoさん、田所さん、春川さん、奥野さん、伊藤さん)。清涼感あふれる楽曲で、Machicoさんと田所さん、奥野さんと伊藤さんと関連性のあるウマ娘キャストが2人ずつ並んで歌うなか、流れてくる松岡さんの歌声とともに春川さんも歌声を重ねて歌っていた。

 第3弾主題歌「Dance 2 Endless Beat」(和氣さん、長谷川さん、石見さん、前田さん、田澤さん、菊池さん、藤原さん、秋奈さん)は、矢野さんと夏吉さんが実況・解説ブースに姿を見せて声援を送るなか、往年のユーロビートを感じさせる曲調のなかで羽根扇子を手にパフォーマンス。ステージだけではなくトロッコに乗って登場するメンバーもいて、スタンドからも盛り上げていた。さらに第1弾主題歌「ゆるパカHAPPY DAYS!」(前田さん、田澤さん、春川さん、MAKIKOさん、田辺さん)で、にぎやかさが全開という楽しさ溢れるステージが展開された。

 MCパートでは水橋さんを進行役としてトークを行いつつ、5th EVENTでは恒例となったコール&レスポンスコーナーに。一部のキャストはトロッコに乗って、トレーナーさんに近い位置で実施。それぞれ特徴的なコール&レスポンスを行った。

 ライブパートが再開されると、メインステージのスクリーンに「BoC'z」(ボウシーズ)のロゴが映し出される。エイプリルフール企画から生まれた、ボウシの素晴らしさを世界に広めるため、ボウシを愛するウマ娘たちによって結成されたユニットで、ステージではウマ娘ダンサーとともに、キャスト5人がそれぞれスタイリッシュなダンスパフォーマンスを見せる。さらに新メンバーとして奥野さんと伊藤さんも登場すると大歓声。7人体制での「Hat on your Head!」(石見さん、天海さん、遠野さん、夏吉さん、奥野さん、伊藤さん、菊池さん)で、“無帽じゃもう、いられない”と思わせる魅惑のステージを繰り広げた。

「Hat on your Head!」(DAY1)
「Hat on your Head!」(DAY1)

 オグリキャップが主人公のコミックス「ウマ娘 シンデレラグレイ」の絵柄を用いたムービーが流れ、オグリキャップ、イナリワン、スーパークリークという“永世三強”と呼ばれたウマ娘が映し出されたあと、歌われたのは「NEXT FRONTIER」(高柳さん、井上さん、優木さん)。火花を散らすがごとく、炎も吹き上がる演出も交えながら熱唱。続けて、ミスターシービーとシンボリルドルフという三冠ウマ娘のムービーが映し出され「winning the soul(GO BEYOND Mix Ver.)」(Machicoさん、田所さん、長谷川さん、天海さん、秋奈さん)の披露に。冒頭では田所さんと天海さんがメインステージステージ上段で歌い、Machicoさん、長谷川さん、秋奈さんという二冠ウマ娘のキャストが加わる形で、さらに熱気が高まっていった。

「NEXT FRONTIER」(DAY1)
「NEXT FRONTIER」(DAY1)
「NEXT FRONTIER」(DAY1)
「NEXT FRONTIER」(DAY1)
「winning the soul(GO BEYOND Mix Ver.)」
「winning the soul(GO BEYOND Mix Ver.)」

 荘厳なBGMとムービーが流れ、「Ms. VICTORIA」(高柳さん、井上さん、優木さん、鈴代さん、夏吉さん、奥野さん、菊池さん、MAKIKOさん、田辺さん)が歌われる。ゲーム内イベント「チャンピオンズミーティング」において、頂点を勝ち取ったウマ娘がセンターに立って歌う楽曲。星座のマークも映し出されるなかで、高柳さんがステージ上段の中心に立ち、さらにせり上がったステージの一番高いところから凱歌を響かせていた。

「Ms. VICTORIA」(DAY1)
「Ms. VICTORIA」(DAY1)

 “ジャパンカップ”の文字に、シンボリルドルフとミスターシービーの激走ムービーが流れるなか、藤原さんがカツラギエース役としての口上を述べながら、割って入るようにカツラギエースのムービーも流れ、歌われたのは「BLOW my GALE」(田所さん、天海さん、藤原さん)。三者三様のパワフルな歌声で圧倒するかのように歌っていた。

「BLOW my GALE」(DAY1)
「BLOW my GALE」(DAY1)
「BLOW my GALE」(DAY1)
「BLOW my GALE」(DAY1)

 MCパートでは、ゲームリリースからまもなく3周年を迎えることや、2000万ダウンロード突破の感謝が伝えられつつ、こちらも5th EVENTでは恒例の花火大会と称した、バズーカ型クラッカーによるテープ射出も実施。今回は“サトノ家の協力”もあって、トロッコに乗ったキャストからもテープが射出され、さまざまな場所から花火が打ち上げられていた。

 一度暗転し、キャスト陣がステージに勢ぞろいしたところで、ウマ娘たちのメッセージを言葉として伝えていく。第1公演、第2公演に引き続き、第3公演では“エール”を感じさせるような、“夢”や想いを届けるメッセージが伝えられた。

 このあとで歌われたのは「Everlasting BEATS」(Machicoさん、田所さん)。ウマ娘の世界では、トウカイテイオーはシンボリルドルフに憧れを抱いているという関係もあり、そのキャスト2人だからこそと言えるような歌声を、荘厳な曲調に重ねていた。さらに「永遠の色彩」(和氣さん、高柳さん、井上さん、優木さん、遠野さん)は、穏やかな気持ちになれるバラードソングを優しく歌っていた。

 落ち着いた雰囲気で聴き入るステージが続く。「Find My Only Way」(長谷川さん、石見さん、天海さん、立花さん、春川さん、鈴代さん、藤原さん)は、TVアニメ第1期第12話のエンディングテーマとなっており、夜の星空をイメージするスクリーンを背景に、ステージの階段に腰掛けながら、そして関係性の深い2人ずつが寄り添うかのような位置で伸びやかに歌声を響かせる。そして「大好きのタカラバコ」(和氣さん、Machicoさん、高柳さん、田所さん、井上さん、優木さん、前田さん、遠野さん、田澤さん、伊藤さん、菊池さん、MAKIKOさん、田辺さん)では、ステージとトロッコに分かれつつ、壮大な雰囲気を感じさせる曲調のなか、終盤は紙吹雪が舞うなかで一体となって左右に腕を振りながら歌っていた。

「Find My Only Way」(DAY1)
「Find My Only Way」(DAY1)

 MCパートではここまでのステージを振り返りつつ、ミニコーナーとして「勝利をこの手に!かっこよさ選手権」を実施。シンボリルドルフのソロ曲である「SEVEN」にのせて、かっこよくポーズを決めるというもの。始めに見本として水橋さんがきれいに「理事長」と書かれた扇子を開いて決めて大盛り上がり。3人ずつ3組に分かれて行われたこの勝負は、それぞれ個性的なポーズを披露するなかで、シンボリルドルフ役の田所さんが自らジングルを歌うというインパクトもありつつ、遠野さんと菊池さんも加わってヒーローポーズを決めた「チームご本人在籍」が勝利していた。

 ライブも終盤というところで、ここからはTVアニメ「ウマ娘 プリティーダービー Season 3」をテーマにしたステージが展開された。TVアニメ第3期序盤の名場面がスクリーンに流れたあとで歌われたのは、エンディングテーマである「アコガレChallenge Dash!!」(和氣さん、Machicoさん、立花さん、矢野さん)。憧れを持って輝きに満ちた世界に踏み出すがごとく、元気いっぱいなステージを見せていた。

 雰囲気はそこから一転。ドゥラメンテに敗北し涙を流すキタサンブラックのシーンが流れたあとで、矢野さんがひとりステージに立ち、ソロ曲「ロストシャイン」を披露。キタサンブラックの悔しさや挫折を感じさせる楽曲を、表情と歌声にのせて会場中に伝えていく。

 “G1レースに勝てない”というサトノ家のジンクスを、サトノダイヤモンドが打ち破ったシーンから歌われたのは、立花さんによるソロ曲「夢のこたえ」。サトノダイヤモンドが持つ思いの強さを、穏やかな表情から紡がれる優しさにあふれた歌声で伝えていた。これに続いたのは、鈴代さんによるサトノクラウンのソロ曲「Confident」。この時点では視聴動画のみ公開された状態で、フルバージョンでは初披露となるなか、ダンサブルなステージと力強い歌声で、逆境にこそ燃えるサトノクラウンの魅力と存在感を示すものとなっていた。

「夢のこたえ」(DAY1)
「夢のこたえ」(DAY1)

 スクリーンには、シュヴァルグランがキタサンブラックへの思いを叫び、そして勝利するシーンが映し出されたあと、夏吉さんが歌ったのはソロ曲「光の後ろ姿」。キタサンブラックへの憧れを描いた楽曲を熱唱し、最後の“僕は絶対忘れないよ”とつぶやく姿も含めて、シュヴァルグランの気持ちを伝えていた。

 チーム<スピカ>のメンバーに励まされ、特訓を経て立ち直ったキタサンブラックが激走するシーンを映し出すなか、ステージ上段に矢野さんが姿を見せ、歌ったのはソロ曲「空のほほえみ方」。ライトに照らされた矢野さんは、TVアニメ第3期終盤でキタサンブラックが着ていた新勝負服「結願のしまい華」を着ていることがわかると、トレーナーさんからどよめきが起きるほど。穏やかな表情のなかでも時折笑顔を見せながら、伸びやかに歌声を響かせていた。

「空のほほえみ方」(DAY1)
「空のほほえみ方」(DAY1)

 TVアニメ第3期の名場面とまとめたダイジェスト映像が流れたあと、ステージでは“勝ちたい”のフレーズとともにオープニングテーマである「ソシテミンナノ」(立花さん、矢野さん、鈴代さん、夏吉さん、MAKIKOさん、秋奈さん)を披露。熱い思いをのせて歌うなか、間奏では、クライマックスとなった第13話で激走するキタサンブラックの姿を背景に、その走りをステージで表現するように、結願のしまい華衣装の矢野さんがソロでのダンスパフォーマンスを披露。さらに明坂さんがアニメの実況を再現するという、熱すぎるぐらいのシーンも展開された。

 興奮さめやらぬなかでのMCパートでは、「ソシテミンナノ」を歌った6人がそのまま残り、TVアニメ第3期で応援いただいたことの感謝とともに、それぞれ披露した楽曲について振り返っていた。そして、出走者全員が登場して「DRAMATIC JOURNEY」を歌う。旅に例えてこの先も進んでいく楽曲を高らかに歌い、本編に一区切りをつけた。

「DRAMATIC JOURNEY」(DAY1)
「DRAMATIC JOURNEY」(DAY1)
「DRAMATIC JOURNEY」(DAY1)
「DRAMATIC JOURNEY」(DAY1)

 アンコールの声が会場中が沸くなかで水橋さんが登場し、「ウマ娘」に関する最新情報の映像を上映しつつ、アンコールとなるウイニングライブがスタート。出走者紹介としてキャスト陣がステージに姿を見せ、全員そろったところで歌ったのは「トレセン音頭」。ウマ娘楽曲でも屈指の盛り上げソングであり、終盤でもさらに盛り上げていくような、お祭り気分になれるにぎやかなステージを展開した。

「トレセン音頭」(DAY1)
「トレセン音頭」(DAY1)

 出走者を代表したキャストがDAY1を振り返っての感想や、トレーナーさんに向けての感謝の言葉を送りつつ、ラストナンバーはウマ娘を代表する楽曲「うまぴょい伝説」。明坂さんと水橋さんもステージを歩きながら一緒になって盛り上がりつつ、テープ射出やトレーナーさんの「俺の愛バが!」コールも響き渡るなかで歌いきってゴールイン。エンディングムービーが流れて、舞台をDAY2へと移していった。

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