プレミアグループは1月29日、「カープレミアあんしんショップ」の認証制度と補償サービス「カープレミアあんしんサービス」の提供を正式に開始すると発表した。
安全安心な自動車販売店、整備工場であることをプレミアグループが認証するとともに、万が一不正が発覚した際にはプレミアグループが補償するという。大手中古車販売店の一連の不正を発端に、消費者の不安が拡大した中古車業界の信頼回復を目指す。
プレミアグループは、自動車ローン「オートクレジット」をはじめとし、自動車に関するさまざまなサービスを提供している。その一つとして、自動車販売店3万社以上、整備工場4000社以上が加入する加盟店ネットワークの上位プランとなる「カープレミアクラブ」を運営。自動車販売店向けの「カープレミア ディーラー」と、整備工場向けの「カープレミア ガレージ」を用意しており、それぞれ2023年9月時点で5000社、1500社の会員企業がいるという。
会員企業は、ウェブサイト「カープレミア」への掲載や、故障・修理の際の一部対応の代行、自動車向け部品の特別提供といった特典を受けることが可能だ。
カープレミアクラブは月額の会費が3万円の「ゴールド」、5万円で招待制の「ダイヤモンド」を用意しているが、カープレミアあんしんショップはその上位カテゴリーという位置づけ。会費などは不要だが、プレミアグループの基準をクリアする、「カープレミア点検」を実施する、などをクリアする必要がある。
カープレミアあんしんショップになると、カープレミアでの上位表示、プレミアグループからの「あんしんサービス(補償)」の提供といったメリットがある。1月29日時点では約200社が名を連ねているという。
プレミアグループ 代表取締役社長を務める柴田洋一氏は、「(カープレミアあんしんショップは)一気に募集するという形では無く、アドバイザーが回って一つ一つ確認している。着実に純増させて、ユーザーが全国でサービスを受けるに足る数を揃えたい」と話す。また、グループ内や会員企業では整備・点検業務へのAI活用を進めており、将来的にユーザーがより把握しやすい仕組みを構築したいと明かした。
自動車生活ジャーナリストとして35年以上活動しているという加藤久美子氏は、「ビッグモーターの騒ぎが発生する前から話は聞いていたが、ここまで大きくなると思っていなかった。その後取材を進めるとビッグモーターだけでない大手も含め、車検、保険金の請求、車の売買など多岐に渡る不正があることに驚いた。特に若い方や女性、初めて車を買う方などにとって高いハードルとなっている。あんしんショップなどのお店には、正しい情報と価格をユーザーに啓発していく役割も率先して担ってほしい」と、カープレミアあんしんショップへの期待を口にする。
柴田氏は、「日本の中古自動車業界は従来、ほとんどが大手ではなく地元密着型の中小企業。大手の不正によって業界全体が厳しい局面に陥った。(カープレミアあんしんショップを通して)会員をサポートし、ユーザーへ安心を提供したい」と、中小企業を支援することで中古自動車業界を支えたいと語った。
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