サムスン、「Galaxy S24」シリーズなどを発表--スマートリングの予告も

June Wan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2024年01月18日 13時44分

 サムスンの新製品発表イベントである「Unpacked」は、いつでも斬新さ、ショーマンシップ、イノベーションに満ちており、毎年どのようなものが発表されるのかは、見てみるまで分からないのが常だ。

Galaxy S24 Ultra
「Galaxy S24 Ultra」
提供:June Wan/ZDNET

 しかし今回のUnpackedは非常に分かりやすく、「Galaxy」シリーズの最新モデルに搭載された新しい人工知能(AI)機能がクローズアップされた。Googleの生成AIモデル「Gemini」を活用して提供されるサムスンの新しいモバイル体験には、分かりやすく「Galaxy AI」という名称が与えられた。

 イベントを見逃した方(そして約1時間に及ぶ基調講演を見直したくない方)向けに、主な発表内容をまとめてお伝えする。

  1. 「Galaxy AI」
  2. 「Galaxy S24」「Galaxy S24+」
  3. 「Galaxy S24 Ultra」
  4. 「Galaxy Ring」

1.「Galaxy AI」

Galaxy AI
提供:June Wan/ZDNET

 今回のUnpackedの主役は、間違いなくサムスンの新しいAIモデルであるGalaxy AIだった。Galaxy AIには、オンデバイスのAIモデルとクラウドベースのAIモデルの両方が使用されている。

 Galaxy AIは「Galaxy S24」の全モデルに搭載され、言語の検出や翻訳、画像作成、コーディングなどをはじめとするさまざまな機能を提供する。これらの機能にはGeminiシリーズが使われており、テキストベースの機能にはオンデバイスモデルの「Gemini Nano」が、音声の翻訳などの機能にはクラウドベースのモデルである「Gemini Pro」が使われている。

 Galaxy AIの主な機能は次のようなものだ。

  1. かこって検索:これまでの「Android」スマートフォンでは、ホームボタンを長押しするとGoogleの音声アシスタントが起動していた。Galaxy S24シリーズでは、同じ操作でスクリーンオーバーレイが表示され、画面上に表示されているものをタップするか丸で囲むと、Googleの画像検索が実行される。
  2. リアルタイム翻訳:オンデバイスで動作するこの機能を使えば、電話をしながらリアルタイムで相手の話を翻訳して聞くことができる。また、通話相手もこちらの発言を自分の言語で聞くことができる。
  3. 文字起こしアシスト:録音した音声の書き起こし、翻訳、要約を行うことができる。
  4. ジェネレーティブ編集:Googleの「編集マジック」機能のように、被写体を長押し(または丸で囲む)することで画像を修正できる。
  5. チャットアシスト:メッセージを書くときに適切な表現に迷った場合、Galaxy AIを使えば、カジュアルな文体や形式に則った文体など、さまざまな文体で書き換えてくれる。

 Galaxy AIの機能は、カメラのハードウェアに特化したものを除き、S24のすべてのモデルで利用できる。(Galaxy AIは「Bixby」に取って代わるものではないことに注意してほしい)

2.「Galaxy S24」「Galaxy S24+」

Galaxy S24、Galaxy S24+
提供:June Wan/ZDNET

 サムスンは今回、Galaxy Sに3つのモデルを用意した。新モデルではさまざまな機能がアップグレードされているため、これらの下位モデルも期待が持てるものになった。

 「Galaxy S24」と「Galaxy S24+」は、全体的に先代モデルよりも薄くて軽く感じられ、角張ったデザインは「iPhone」を彷彿とさせる。カラーはコバルトバイオレット、アンバーイエロー、マーブルグレー、オニキスブラックの4色で、ストレージは最大512GB、RAMは最大12GBとなっている。

 また、Galaxy S24とGalaxy S24+の両方に、可変リフレッシュレートのディスプレイが採用された。例えば静止画像を表示するときにはリフレッシュレートを下げ、ゲームなどの画面の動きが激しい用途ではリフレッシュレートを上げるというように、そのときのタスクに応じて画面の動きの滑らかさが調整される。画面の輝度も、2600nitと「iPhone 15」の2000nitを大幅に上回っている。

 新しいLTPOディスプレイの電力効率が改善されたことは、2023年のモデルから100mAhずつ増えた4000mAhと4900mAhの大容量バッテリーとも相乗効果を発揮するはずだ。

 これらのモデルにはQualcommの最新のチップセットである「Snapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxy」が搭載されている。

 カメラに関しては、より大きなピクセルセンサーが搭載され、光学式手ぶれ補正機能の角度が2倍に広がった。

 価格はGalaxy S24が799ドル(約11万8000円)から、Galaxy S24+が999ドル(約14万8000円)からとなっている。

3. 「Galaxy S24 Ultra」

Galaxy S24 Ultra
提供:June Wan/ZDNET

 ハイエンドモデルである「Galaxy S24 Ultra」も従来モデルから機能が強化された。まず、筐体には新たにチタン素材が、ディスプレイにはCorningの最新カバーガラス素材「Corning Gorilla Armor」が採用され、同社のスマートフォンとしてこれまでで最も堅牢なモデルに仕上がっている。

 ディスプレイは従来と同様、LTPO(低温多結晶酸化物)技術を採用した6.8インチのDynamic AMOLEDであり、Galaxy AIのかこって検索ツールを使用する際に便利な「Sペン」も内蔵している。なお、同スマートフォン自体の見た目はさらに角張った感じになっている。

 同モデルでは、ベゼルがスリムになるとともにディスプレイがフラットになり(従来モデルでは曲面ガラスが採用されていた)、筐体に対するディスプレイサイズの比率が若干大きくなっている。エッジ部分がフラットになったことで、書き込んだり、閲覧したりするときの体験は、これまでよりもずっと向上するはずだ。

 同モデルの背面には前モデルと同様、200メガピクセルの広角カメラ、10メガピクセルの望遠カメラ(光学3倍ズーム)、12メガピクセルの超広角カメラが搭載されており、もう1つの望遠カメラは50メガピクセル(光学5倍ズーム)へと画素数が強化されている。また基本モデルと同様に、画素数が60%引き上げられ、光学性能の強化が図られている。こうした違いは、低照度環境でカメラ性能を最大限に活用してディテールを再現する必要があるときに実感するはずだ。

 また、同モデルは先代モデルよりも92%大きなベイパーチャンバーを搭載し、回路自体の冷却性能を強化している。特にレイトレーシングによるグラフィック処理のためにSnapdragon 8 Gen 3 Mobile Platform for Galaxyを活用したいと考えているゲーマーであれば、こうした高性能放熱システムの重要さに気付くだろう。

 Galaxy S24 Ultraの価格は、前モデルよりも100ドル(約1万5000円)高い、1299ドル(約19万2000円)からになる。1299ドルのモデルは256GBのストレージと、12GBのRAMを搭載しており、色はチタニウムブラックとチタニウムイエロー、チタニウムバイオレット、チタニウムグレーから選べる。

4. 「Galaxy Ring」

Galaxy Ring
提供:Samsung

 最近の商標出願と、9to5Googleが行った「Galaxy Wearable APK」の逆コンパイルにより、サムスンがスマートリングを開発しているのではないかという観測が飛び交っていた。そして同社は、イベントの最後の数分間で、「Ouraリング」と同じような方法でユーザーの健康状態をトラッキングする「Galaxy Ring」を紹介し、聴衆を驚かせた。

 詳細は語られなかったが、このリングはOuraリングやEvie Ringの競合になりそうだ。

サムスンのプレスリリース

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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