ワーケーションを法人にリピートしてもらう鍵は「可視化・数値化」--旅行・思い出づくりで終わらせないために

 採用コンサルティング、教育研修などを事業とするアールナインは宮崎県日向市で、市内の事業者を対象に地元の観光体験を企業の「人材育成」に転身させるコツを研修したと発表した。

 11月21日、「観光庁実証事業『実践型ワーケーション人材育成セミナー』」というタイトルの講演形式で実施。日向市の飲食店やホテル経営者、漁業者などでつくる「日向市ワーケーション推進会議」などから約20人が参加したという。アールナインで法人採用や人材育成を支援する恒松歩夢氏、The DECKの向井布弥氏が講師を担当した。


 アールナインは、全国的にワーケーションの誘致が行われているが、一般観光客向けの内容をそのまま企業に転用しても、単なる旅行や思い出づくりで終わりかねないと指摘。効果をうまく検証・実感できないと、二度目の参加をためらいかねないとしている。

 加えて、地域側は一般的に観光体験は提供できるが経営層や人事担当者の視点から内容を工夫する知見は持ち合わせておらず、競合自治体と差別化するためにも地域を訪れる企業の課題を知り、人事コンサルティング的視点で解決につなげる観光体験を創りだすことが求められると説明している。

 ワーケーションで法人のリピーターを増やす最大の鍵は、観光コンテンツの良し悪し以上に、「この経営課題の解決なら〇〇市だね」というイメージを経営層や人事担当者に持ってもらうことで、継続的に調査して「〇〇市に来たら企業としてこんな成果が出た」と、効果を可視化・数値としてわかりやすく打ち出せれば一層理想的と説明。

 企業の健全さを表す指標には離職率だけでなく、従業員の会社に対する愛着をあらわす「エンゲージメント」などのさまざまな数字があることも伝えている。

 日向市で取り組める一例として、人気がある定置網漁の体験を活用し、(1)管理職と若手の交流のため、上司が網を引っ張り、部下が魚を網から出すなど役割を分担し、終了後に距離が縮まったかどうかを話し合う、(2)新人研修として漁師自身に人生や仕事の原点を語ってもらい、参加者が働く意味を考える――などを提案している。


 日向市は、全国トップの日照時間と、日向灘の大海原を望む自然豊かな宮崎県北東部に位置する。人口減少を受け、2020年からワーケーションに注力。過去3年間で約80社、1100人を受け入れている。2023年9月には、オフィス機能を備えた車「ワーケーションカー」の貸し出しを始めるなど、その取り組みは、先進自治体として注目されている。

 また、観光庁は2023年から、企業のニーズをうまく取り込んだワーケーションを試みる自治体や、地域団体などの中から受け入れ地域を選び、成功事例を広める実証事業を開始。日向市は同事業において自治体として唯一採択されており、事業の一環として研修を実施したという。


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