血圧計を備えたスマートウォッチ「HUAWEI WATCH D」レビュー--見守りデバイスにも

 スマートウォッチを、日々の健康管理に役立てたいと考える人は多いはず。健康管理という点でほかにない存在なのが、ファーウェイの「HUAWEI WATCH D」だ。スマートウォッチの機能にプラスして、管理医療機器として認証を受けた手首式血圧計の機能を搭載する。バンド部分に空気で膨らむカフが仕込まれており、いつでもどこでも手軽に血圧測定が可能だ。

いつでも手軽に血圧を測定できるHUAWEI WATCH D
いつでも手軽に血圧を測定できるHUAWEI WATCH D
  1. 心拍、血中酸素レベル、皮膚温をモニタリングできるセンサーやGPSを搭載
  2. 測り方は簡単--デバイスを心臓の高さと同じ位置に
  3. IP68の防水仕様だが、水回りでは使いにくい理由

心拍、血中酸素レベル、皮膚温をモニタリングできるセンサーやGPSを搭載

 1.64インチの有機ELディスプレイを搭載し、重さは約40.9g。カフがある分だけバンド幅は30mmと太く、スマートウォッチとしてはややゴツイが、許容範囲といった印象だ。タッチ操作のほか、右側面に2つのボタンを備え、上はHOME(メニュー)ボタン。下のHEALTHボタンは、よく使う機能にカスタマイズ可能で、デフォルトでは血圧計が設定されている。1度押すと血圧計が起動し、もう1度押すと測定を開始できるようになっている。

カラーはグラファイトブラック一色だが、豊富な文字盤が選べる
カラーはグラファイトブラック一色だが、豊富な文字盤が選べる
バックル式で装着はしやすいが、バンド幅はかなり太くゴツイ印象
バックル式で装着はしやすいが、バンド幅はかなり太くゴツイ印象

 万人向けではないかもしれないが、健康診断などで血圧が高いと指摘された人や、持病などがあり毎日の血圧測定が必要な人には役立つデバイスだ。実は筆者もそのひとりで、健康診断でひっかかり、かかりつけ医から毎日血圧を測定するよう指導されている。「血圧手帳」なる冊子を渡され、手首式の血圧計も購入したのだが、恥ずかしながらこれまではなかなか、継続して記録するということができないでいた。

 特に医師から指示された起床後1時間以内の測定は、朝の時間が忙しいことに加えて、睡眠を記録するために装着しているスマートウォッチを、一旦取り外して測定するのが面倒で、ついおろそかにしてしまうことが多かった。そこで、HUAWEI WATCH Dの出番である。

 HUAWEI WATCH Dは心拍、血中酸素レベル、皮膚温をモニタリングできるセンサーやGPSを搭載し、70種類以上のワークアウトモードが利用できるなど、日々の運動や睡眠、ストレスを記録できる。つまり、最新のスマートウォッチに搭載されているような、健康管理に役立つ機能をひととおりサポートした上で、さらに血圧も測定できるデバイスということだ。

測り方は簡単--デバイスを心臓の高さと同じ位置に

 睡眠を記録しつつ、朝起きたらすぐに血圧を測定できる。測り方はまず、ベッドやイスに座った状態で、下側のボタンを押して血圧計を起動。「測定」をタップするか、再度ボタンを押して開始してから、デバイスを装着した方の肘をもう片方の手で支えるようにして、デバイスを心臓の高さと同じ位置に固定されるようにする。カフに空気が入って徐々に圧迫され、空気が抜けたら測定完了だ。

デバイスを心臓の位置に合わせて固定しつつ、胸を押さえないように注意する
デバイスを心臓の位置に合わせて固定しつつ、胸を押さえないように注意する

 正しく測定するコツは、測定中できるだけリラックスしつつ、安静にすること。安静が必要なのは一般的な手首式や、上腕式の血圧計でも同じだが、こちらの方がよりシビアで、途中で動くと測定に失敗することがある。なお、血圧計ではカフをマジックテープで固定するが、本機のバンドはバックル式なので、手首に対してきつすぎたり、緩すぎたりしないよう、最初に位置の調整が必須となっている。

手首の太さに合わせて選べる、長さの異なるバンドが2つ付属している
手首の太さに合わせて選べる、長さの異なるバンドが2つ付属している

同梱の紙製のスケールを用いて手首周りを測り、該当する位置にバックルをあわせて調整する
同梱の紙製のスケールを用いて手首周りを測り、該当する位置にバックルをあわせて調整する
揺らぎはあるものの、筆者が所有する手首式の血圧計と比べ、数値に大きな相違は見られなかった
揺らぎはあるものの、筆者が所有する手首式の血圧計と比べ、数値に大きな相違は見られなかった

 測定された数値は、ペアリングしたスマホの「HUAWEI Health」アプリに自動的に記録される。HUAWEI HealthはiOS、Androidのどちらでも利用可能だが、Androidの場合はGoogle Playから直接ダウンロードできない。ブラウザで「HUAWEI AppGallery」を検索&ダウンロードして、そこからインストールをするか、HUAWEI Healthを検索して直接ダウンロードする必要がある。

 アプリでは日々の血圧データを記録するだけでなく、その変動を1日、1週間、1ヵ月単位でグラフとして視覚化できる。病院などで別途測った場合は、その記録を手動で追加することも可能。また「測定計画」として、血圧を測る時間や曜日を設定し、リマインダーをオンにしておくと、時間にあわせて通知してくれる機能もあり、うっかり忘れを防げる。

 血圧のほか、日々の活動量や運動、心拍数、睡眠、血中酸素、ストレス、皮膚温や体重、生理周期といったデータも、アプリでまとめて管理可能。たとえば睡眠は、深い睡眠、浅い睡眠、レム睡眠、目覚めている時間を4段階で記録。さらに熟睡期間や目覚めた回数、呼吸の質などを総合的に判断したスコアをチェックできる。

様々なヘルスケアデータをまとめて管理できるHUAWEI Healthアプリ
様々なヘルスケアデータをまとめて管理できるHUAWEI Healthアプリ
血圧の変動をグラフで表示できるので、健康管理に役立てられる
血圧の変動をグラフで表示できるので、健康管理に役立てられる
測定忘れを防げるリマインダー機能も用意されている
測定忘れを防げるリマインダー機能も用意されている
睡眠の長さだけでなく、その質も毎日チェックできる
睡眠の長さだけでなく、その質も毎日チェックできる

 このあたりのできることは、「HUAWEI WATCH GT」シリーズなど、他のファーウェイ製スマートウォッチとほぼ同じ。グローバルに複数のヘルスラボを構えるなど、ウェアラブル&ヘルスケア製品に注力しているメーカーだけに、その機能はかなり充実している。たとえばランニングひとつをとっても、目標にあわせたトレーニングプランのカスタマイズから、トレーニングの自動検出、音声ガイダンスによるサポート、トレーニング結果の分析&AIによる提案といった機能がフル活用できる。

IP68の防水仕様だが、水回りでは使いにくい理由

 スマホとの連携では、事前設定したアプリの通知を受け取れるほか、Androidスマートフォンでは、メッセージに定型文で返信もできる。スマホ内の音楽の再生や、アラームなどのほか、HUAWEI WATCH Dからスマホを、スマホからHUAWEI WATCH Dを探すこともできる。またファーウェイ製のスマートウォッチの特徴としてバッテリー持ちも良く、7日間の連続使用が可能となっている。筆者の体感でもほぼ同じく、1週間程度は充電しなくても使用できるという印象だった。

充電には付属のクレードルを使用。マグネット式で背面に固定できる
充電には付属のクレードルを使用。マグネット式で背面に固定できる

 IP68の防水仕様なので、手洗いなどの際にも安心して着けっぱなしにできるが、布製のカフが濡れると不快なので、筆者は水回りでは外すようにしている。それ以外はほぼ着けっぱなしにしているが、装着感が良好なので着けて眠っても意外にストレスがない。ずっと着けっぱなしにしていて、リマインダーがきたらさっと血圧を測るようにしていたら、これまで3日坊主だった記録が、いつの間にか蓄積されていた。おかげで医師に詳しく状況を伝えることができ、今はきちんと薬の処方を受けている。今回、HUAWEI WATCH Dを長期間試用できたおかげで、命拾いしたと言えるかもしれない。

 Suicaを含む電子決済が利用できないことや、汗ばむ時期には布製のカフが蒸れてやや臭いが気になることなど不満点もあるが、いつでも血圧が測れる安心感は、ほかのスマートウォッチでは得られないものだ。筆者はもともと、上腕式よりも持ち運びに便利だからと手首式の血圧計を選んだのだが、HUAWEI WATCH Dはスマートウォッチとして身につけることができ、さらに手軽に血圧を測定できる。

 筆者同様、血圧測定の習慣化がなかなかできない人のほか、アプリには許可したユーザー間でデータをシェアできる機能もあるので、家族の健康を見守るデバイスとしても役立つ。現在の実売価格は5万4800円ほど。まもなく80歳になる父のために、帰省にあわせて購入しようかと検討中だ。

HUAWEI WATCH D - HUAWEI

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