長年にわたって開催され、世界中のゲームパブリッシャー、小売業者、報道関係者をロサンゼルスに集結させてきた年次ゲーム見本市「Electronic Entertainment Expo」(E3)が終了する。
「20年以上にわたって世界のビデオゲーム業界の中心的な展示会としての役割を果たしてきたが、ESAはE3を終了することを決断した」と、エンターテインメントソフトウェア協会(ESA)は米国時間12月12日の声明で述べた。「ESAは引き続き、文化的および経済的に日々プラスの影響を生み出すESA会員企業と業界従事者を支持することに注力していく」(ESA声明)
米CNETと話をしたアナリストらは、主要なパブリッシングパートナーの撤退と他のイベントとの競争の激化を、E3終了の理由として挙げた。
今回の終了に至るまでのこの10年間で、パブリッシャーは同見本市から少しずつ撤退し始めていた。任天堂は2013年にE3で記者会見を開くのを止め、代わりに録画済みの動画をオンラインにアップロードするようになった。MicrosoftとElectronic Artsは、E3開催期間に合わせて別の場所でイベントを開くようになり、 ロサンゼルスコンベンションセンターの来場者がそれらのイベントに分散するようになった。2019年にはソニーがE3から完全に撤退したことが、大きな打撃になった。
ますます多くの企業がE3以外の場所で展示会を開催するようになり、E3の意義は徐々に薄れていった。新型コロナウイルスのパンデミック禍にあった2020年以降、E3は中止または延期されるようになったが、2021年にはオンラインのみで開催された。2022年にESAは、E3は2023年に復活すると述べたが、最終的には関心が集まらなかったために2023年のE3は中止された。
パンデミックによりE3が衰退し中止されるのと時を同じくして、ゲームジャーナリストとして同業界を熟知するGeoff Keighley氏が主催する一連のゲーム発表イベント「Summer Game Fest」が台頭した。Summer Game Festは、最初はオンラインで開催されていたが、2023年には初めて対面式イベントとしてロサンゼルスで、しかもE3が例年開催されていた時期に開催された。
E3は1995年に、ホリデーシーズンに向けた販促活動を支援することを目的に、小売業者を集結させるための見本市として始まった。最後に対面式で開催されたのは2019年で、2021年のオンライン開催が最後のE3となった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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