KDDI、KDDI総合研究所、エネコートテクノロジーズは12月6日、曲がる太陽電池「ペロブスカイト型」「CIGS型」を活用した基地局の実証実験を開始すると発表した。電柱型基地局のポールに巻き付け、敷地面積が少ない基地局でも太陽光発電が可能になる。実証実験は2024年2月から群馬県で実施する予定。ペロブスカイト太陽電池で発電した電力で商用基地局を運用する実証実験は国内初になるという。
KDDIは6月9日に、太陽光パネルを活用し、24時間365日CO2排出量実質ゼロの「サステナブル基地局」を運用開始を発表。しかし、基地局の多くを占めている電柱型基地局やビル設置型基地局など、敷地面積が狭く太陽光パネルの敷設が難しい基地局への展開が課題になっていた。
今回の実証実験では、薄い、軽い、曲げやすいといった特長を持ち、次世代の太陽電池として期待されるペロブスカイト太陽電池を、電柱型の基地局に設置したポールに巻き付けて使用。これにより、敷地面積の少ない電柱型の基地局でも太陽光発電が可能となり、サステナブル基地局の拡大を目指す。
ポールは電柱型基地局に8本設置。基地局本体の電柱から少し離した位置にポールを設置することで、ケーブル配線などへの影響を最小限にし、発電効率の最大化を図る計画だ。設置方法による発電効率を測定し、本基地局の有用性や設置方法を検証するほか、ペロブスカイト太陽電池とCIGS太陽電池の発電効率や設置上の課題を比較するという。
実証期間は2024年2月から最大で約1年間を予定。KDDIは、ペロブスカイト太陽電池を用いた基地局の開発、構築、運用、実証実験の推進を手掛け、KDDI総合研究所はペロブスカイト太陽電池の性能評価、太陽光発電の基地局設置の知見を生かした技術支援と実験データの解析を担う。ペロブスカイト太陽電池はエネコートテクノロジーズが提供している。
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