日本HPは11月16日、eSIMによるデータ通信5年間無制限利用権が付いた法人向けのPC製品とリモートワークでのPC利用や管理を強化するソリューションを発表した。
日本HPはKDDIと協業して、MVNOサービス「HP eSIM Connect」を提供し、あわせて法人向けにデータ通信5年間無制限の利用権付きeSIM対応モバイルPCを販売開始している。HP eSIM ConnectはeSIM利用に特化したサービスで、SIMカードやモバイルルーターの管理コストを削減できるほか、オンライン上での開通申請やアプリによる簡単設定など、通信開通プロセス工数を削減できるのが特長だ。
対応するPCは、13.5インチ型ハイエンドモバイルPC「HP Dragonfly G4」と、14インチ型スタンダードノートPC「HP ProBook 445 G10」の2機種。
「HP Dragonfly G4 法人限定 HP eSIM Connectモデル」の希望販売価格は、39万8200円(税込)〜だが、実勢価格は26万円程度を見込む。「HP ProBook 445 G10 法人限定 HP eSIM Connectモデル」の希望販売価格は25万4980円(税込)〜だが、実勢価格は14万円程度という。
「追加費用なし、データ容量無制限、速度制限なしで5年間使える4G LTE/5G対応の通信サービス付きなので、非常に頑張った価格だなと思っている。ぜひ、多くの方にHP eSIM Connectを使っていただきたい」(日本HP パーソナルシステムズ事業本部 CMIT製品部 部長の岡宣明氏)と自信を見せた。なお、なぜ5年かについては、「4年~5年の期間で使われるお客様が多く、サポート契約も5年間が多い。そこに基づいた判断」(岡氏)という。
なお、海外ローミングやテザリングには対応しない。常識を外れたトラフィックが発生した場合は制限をかける可能性はあるが、ビデオ会議やWindowsアップデートといった通常のビジネス利用の範囲では基本的に制限はないという。IT部門による管理ソリューションもからめることで、ビジネス利用としての範囲のトラフィックを見込んだもの。
KDDI 執行役員常務 ソリューション事業本部 ビジネスデザイン本部長の那谷雅敏氏は、「いま使われているPCはツールと通信を分けて契約をするが、これをシームレスにワンストップにした。機器を買えば通信が5年間使い放題という世界は、通信キャリアから見ても価値のあること。われわれも全面的にバックエンドを応援していく」とコメントした。
コロナ禍を経て、ハイブリッドワークの導入が進んでいる。日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹氏は、ハイブリッドワークについて「内閣府の最新の調査によると、全国で3割ほど、東京では5割ほどの導入という。ハイブリッドワークは導入期から現在は定着期の方に移ってきたのではないか」と説明する。
HPの調査によると、ハイブリッドワークモデルを運営するITおよび、セキュリティ部門のリーダーの82%(日本の79%)が、組織のセキュリティへの取り組みにギャップを感じているという。また、回答者の84%(日本の82%)は、「エンドポイントがほとんどのセキュリティ脅威の発生源であり、ビジネスに損害を与えるサイバー脅威が最も発生する場所である」と考え、70%(日本の68%)がハイブリッドワークはデバイスの紛失または盗難のリスクを増加させると回答している。
こうした背景から、IT部門は分散するデバイスの管理に加え、紛失や盗難などに対して適切かつ、迅速な対処が求められているとして、新たに「HP Protect and Trace with Wolf Connect」を2024年2月以降より提供予定だ。対応する専用PCが必要になる。
HP Protect and Trace with Wolf Connectは、電源オフ時やインターネットに接続されていない場合においてもPCの位置情報を検索し、ロックが可能。さらに、リモートでデータ消去が行えるため、紛失・盗難時の機密データ保護か可能になる。携帯電話ネットワークを利用することで、接続性が安定するため、各地のハイブリッドワーカーのPCを容易に管理できるのが特長だ。また、ハイブリッド環境の従業員は、データとデバイスが安全に管理されている環境で安全に仕事が行えるという。
このほか、2022年9月に統合した「Poly」ブランドとして、ハイブリッドワークやオフィスでの幅広いコミュニケーションツールと、最新AMDプロセッサー搭載デスクトップワークステーション「HP Z6 G5 A Workstation」(税込49万5000円〜)を12月中旬に発売することも発表した。
HP Z6 G5 A Workstationは、「HP Z6」に最新の「AMD Ryzen Threadripper Pro 7000 WX」シリーズを搭載。バーチャルプロダクションや3Dレンダリング、AI、機械学習などの用途に対応するよう設計されている。HPワークステーションで最多の96コアを備え、最大3枚のハイエンドグラフィックスカードの構成に対応。高い生産性とパフォーマンスを実現する。
Polyルームソリューション向け製品「Studio X ファミリー」は、「G7500」のファームウェアを更新することで、ガラス張りの会議室でも、室内の参加者だけを正確にフレーミングできるようになる映像技術「Poly DirectorAI Perimeter」の利用が可能となる。
ビデオバーを設置する際に、IT管理者が部屋のサイズを入力しておくことで、AIがパラメータを正確に定義。ガラスや窓越しの顔を映しだすのを防げるという。オーバーイヤー式のブームレス ワイヤレス ヘッドセット「Poly Voyager Surround 80 UC」(税込6万9740円)も提供している。
臨場感ある豊かなオーディオと適応型アクティブノイズキャンセリング(Adaptive ANC)により、周囲の雑音を遮断し集中力を維持。自分の声だけを相手に伝えることが可能。
柔らかいイヤークッションと調節可能なヘッドバンドにより、長時間の快適な装着感を実現する。通話時間は、最大21時間。自動通話応答のためのスマートセンサーを使用し、優れた操作性を維持できるという。
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