創業より社員全員がフルリモートで勤務しているという人材派遣業のキャスターは7月7日、同社社員(業務委託含む)を対象に実施した「リモートワークと働き方に関する意識調査」の結果を公表した。有効回答数は442名。
同調査では、リモートワークを選択した理由として「通勤や移動時間を減らしたい」が52.9%ともっとも多く、「家族との時間を増やしたい」が2位「リモートワークに興味があった、挑戦してみたかった」が3位「居住地付近に希望する求人がなかった」が4位と続く。
キャスター取締役CRO(Chief Remote work Officer)の石倉秀明氏はこの結果について、リモートワークを選択した理由で「家事・育児・介護との両立」の回答が7.0%に留まったことに触れ「世間のリモートワークに対するイメージとして『家事や育児を両立する』ためというものがあるが、それよりも『通勤や移動時間を減らし』『家族との時間を増やす』ことを実現したいという回答が上位にきた」とコメントしており、同社において、家事や育児、介護との両立を理由としてリモートワークを選ぶ人は少数であるという。
また、石倉氏は「出社が1日でもあるリモートと、出社がゼロのフルリモートは似て非なるもの」といい、フルリモート勤務の同社では、研修や全社総会などもすべてオンラインで実施し、メンバーがオフラインで集まる場は会社として実施していないと述べている。
同氏は、フルリモートの利点として「居住地に関わらず優秀な人材を採用することができ、現在47都道府県23ヶ国で1400人以上が働いている」としており、同社の入社理由で「リモートワークでないと働けない」と21.9%から回答があったことも含め、フルリモートであるメリットも一定程度ありそうだ。
昨今話題を集めている「ワーケーション」だが、創業8年の同社社員のワーケーション経験率は19.5%という。この結果について、同社は「世間では、好きな場所で働けるから、旅行しながらというイメージもありますが、リモートワークだからといって仕事量が減るわけでもラクになるわけでもありません。現実的には、金銭的な問題や、セキュリティ面で安全なWi-Fiや業務に適したデスク、椅子などの環境がない場所も多く、旅先で仕事をするのは容易ではありません」とコメントしており、ワーケーションにも課題があるようだ。
また、「好きな場所でワーケーションができるとしたらどこを選びますか?(※予算が十分あると仮定)」という設問では、16.1%が「ワーケーションはしない」という回答だったという。
「どこでも好きな場所に移住・引越しができるとしたら、どこを選びますか?(※移住予算が十分あると仮定して考えてみてください)」という設問では、「関東エリア」が27.6%と最も多い結果になったという。
また、「リモートワークを始めてから、引越しや移住を考えたことはありますか?」という設問では、約半数(50.5%)が移住や引越しを考えたことがあると回答したという。
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