広告ブロッカーのおかげでYouTubeを広告なしで楽しんでいた人は、まもなく残念な意味で驚かされるかもしれない。
6月の時点で、YouTubeで広告ブロッカーを使っている一部のユーザーが、「YouTubeを許可リストに登録するか、広告ブロッカー自体を無効にしない場合、動画の再生がブロックされることがあります」というメッセージを目にするケースが出始めていた。
そして今になって、この試験的な試みが本格的に運用されることになったようだ。YouTubeの広報担当者はThe Vergeに対し、外部のプログラムを通じて広告を回避しているユーザーに、広告表示を許可するか、あるいは広告なしで動画が見られる「YouTube Premium」を試すよう促す、「グローバルな取り組み」を開始したことを認めた。
この担当者は、「広告ブロッカーの使用」はYouTubeの利用規約に違反しているとして、「広告は全世界でクリエイターの多様なエコシステムをサポートしており、数十億人のユーザーがYouTubeでお気に入りのコンテンツにアクセスできるのも広告のおかげだ」と述べたという。
YouTubeはサポートページに、「AdBlock Plus」や「uBlock Origin」など、人気の広告ブロック拡張機能でYouTubeの広告を許可する方法を記載している。
筆者が試しにYouTubeにアクセスし、広告ブロッカーを有効にした状態で動画をクリックしてみたところ、先ほど説明したメッセージが実際に表示され、閉じる方法も見当たらなかった。そこで広告ブロッカーを無効にすると、動画がいつも通り再生された。
では、ユーザーにはどのような選択肢が用意されているのだろうか。実際のところは、YouTube Premiumに加入して「Android」で13.99ドル(日本では1280円)、「iOS」で18.99ドル(日本では1680円)の月額料金を払うか、さもなければ多少の広告が再生されることを受け入れるしかない。1年分の料金をまとめて払えば年額139.99ドル(Androidあるいはウェブからのみ申し込み可、日本では1万2800円)と多少の節約にはなるが、いずれにしても、今はこれがYouTubeで広告を回避する唯一の方法だ。
今回の措置は、表示される広告を長くして回数を減らすテストをしたり、クリエイターが商品を宣伝しやすくする機能を導入したりするなど、YouTubeがいくつかの変更を加えている中で実施された。
Vimeoなど、他のYouTube類似サイトも同様の方針を打ち出しているが、YouTubeはこうした措置に踏み切った最大規模の動画サイトとなる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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