KDDI、渋谷未来デザイン、渋谷区観光協会の3者は、10月27日から10月31日まで、「バーチャルハロウィーン2023」を開催する。
テーマは“Stay Virtual”。ハロウィーン気分を満喫できるバーチャル空間ならではのイベントやアトラクションコンテンツを提供する。
2020年に初開催、2023年で4年目の開催となる「バーチャル渋谷」のハロウィーンイベントは、総勢66組のアーティスト・VTuber・アニメキャラクターが出演し、延べ130万人以上が参加している。
2023年は、“Stay Virtual-リアルを超えてつながろう”をテーマに、バーチャル渋谷と「バーチャル大阪」での音楽ライブといったエンタメコンテンツを用意する。KDDIのメタバースサービス「αU metaverse」のほか、「cluster」「OPENREC.tv」「REALITY XR cloud」「YouTube」など、マルチプラットフォームが連携して開催するという。
具体的には、トークや音楽、XRライブのほか、アーティストや配信者(ライバー)と交流できるイベントを実施する。過去最大規模のライバーが集結するライブ配信、バーチャルカラオケボックスなどでのライバーとファン、ユーザー同士での交流なども可能だ。
一例として、10月27日19時から、スピードワゴンの井戸田潤さんがMCを務める「歌うまカラオケチャレンジ!生配信でBINGOを目指せ」を実施する。αU metaverseに新しく搭載されたカラオケ機能を活用し、視聴者参加型のプレゼント企画も用意するという。
10月27日20時からは、「新しい学校のリーダーズ [ATARASHII GAKKO!] VIRTUAL LIVE - 2021ver」を実施。「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021」でのライブを再公演する。
10月28日13時からは、後藤真希さんがVTuber“ぶいごま”となる、初のイベントを開催。「ぶいごま(V後藤真希)3Dお披露目配信inバーチャル渋谷」として、ミニライブを披露する。
そのほか、αU metaverseの渋谷スクランブル交差点エリアでゾンビを避けながら道に落ちているゴミを拾うゲーム「ハロウィーンお掃除大作戦」、「バーチャルあべのハルカス」をハロウィーン仕様にアップデートした「近鉄不動産 Presents バーチャルあべのハルカス」など、さまざまなコンテンツを用意する。
渋谷区長 長谷部健氏は、「街や道路は基本的には自由な場所だが、(2018年には)トラックが横転するなど、仮装していない人がお酒を飲んで暴れる状況が目に付くようになってきた」と振り返る。バーチャル渋谷を上手に活用して、ハロウィーンを楽しんで欲しいと語った。
KDDIは、バーチャルハロウィーン2023の直前となる10月24日、3D音楽ライブ配信サービス「αU live」の提供開始を発表した。
「Google Cloud」の映像処理技術となるクラウドレンダリングを活用し、最新端末でなくとも高品質な3Dライブ体験を楽しむことができるという。最大360度、自分の好きな角度や距離から視聴できる点も特徴だ。
また、αU liveでは11月以降、楽曲などの配信を代行する「音楽ディストリビューション事業」を開始し、クリエイターエコノミーを促進するという。
KDDIは同日、最新の展示を見たり店員に相談したりしながらショッピングができる、バーチャル店舗「αU place」も発表している。
実店舗を忠実に再現した空間で、まるで本当に店内を歩いているかのようなEC体験が可能。バーチャル店舗は実店舗をスマホでスキャンするだけで生成できるため、高頻度で店内をアップデートできるという。
「無印良品 銀座」「Lui's/EX/store」「ポケユニ ハラジュク」「2G POPUP STUDIO」「ヒョウベイ」「au Style SHIBUYA MODI(au Style バーチャル店)」の6店舗が出店するほか、新規店舗の出店も受け付ける。
そのほか、αU metaverseにカラオケ機能も追加した。同日から2024年1月23日まで、メタバース内に設置したカラオケルームで、エクシングが提供する「JOYSOUND」の人気楽曲100曲を楽しめるという。バーチャルハロウィーン2023で10月27日19時から実施する「歌うまカラオケチャレンジ!生配信でBINGOを目指せ」で活用する機能となる。
KDDI 事業創造本部 副本部長の中馬(ちゅうまん)和彦氏は、KDDIのメタバースサービス「アルファユー(αU)」始動から半年が経過し、法人および自治体から、ウェブサイトなどで公開する情報の先の体験を届けたいというニーズが増加したと説明。メタバースを“体験メディア”として活用したいという相談が増えたという。
また、1000人を超える配信者が日々配信するなど、コンシューマ向けも盛り上がりつつあると話すが、「多種多様なメタバースが広がるなか、法人、自治体(向けメタバース)が立ち上がる方が早いかもしれない。コンシューマ向けは、例えば配信中の部屋の中など、盛り上がりは限定的で、まだ課題がある」と語る。
10月24日に発表したさまざまな新サービスや機能拡張は、コンシューマ向けの打ち手の1つ。「2022年のバーチャル渋谷のハロウィーンから、買い物する、歌を歌う、友達とも遊ぶといった全てができる“ワン・メタバース”はまだ時期尚早、という結論にたどり着いた」(中馬氏)。さまざまなメタバースがあって相互に接続して行き来する“オープンメタバース”を志向すると説明する。
クリエイターエコノミーを推進すべく、プロデュース機能を持つ業界初の生成AI「プロデューサーAI」の開発を推進していることも明かした。ANNINと協力し、著名プロデューサーの好みやアーティストと楽曲、クリエイターの相性などをデータ化。プロデューサーの人手、稼働時間といった課題を排除するという。
「盛り上がりが限定的となっている課題の1つに、圧倒的なコンテンツ不足がある。YouTubeやTikTokのコンテンツは、ユーザーがジェネレートしたUGCが中心。(メタバースの)3Dコンテンツはツールが難しく、好きでないと作れないが、生成AIの登場で圧倒的にハードルが下がる。誰でも作れるものとなりそうな気がしている」(中馬氏)と、メタバースのコンテンツ不足が解消される未来を予想する。
プロデューサーAIでクリエイター・アーティストと接触する機会を増やし、αU liveで11月以降に開始予定の音楽ディストリビューション事業と合わせ、世に出られる可能性のある数の最大化を目指す。
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