産直通販サイト「食べチョク」、ふるさと納税を開始--ポイント還元や返礼品競争から脱却へ

　産直通販サイト「食べチョク」を運営するビビッドガーデンは9月27日、「食べチョクふるさと納税」を開始した。

　同サービスでは、寄付者と生産者の間に自治体などが入る従来の形式とは異なり、食材や地域の魅力を生産者から直接寄付者に伝えられるのが特徴。

　返礼品の品質管理や問い合わせ対応については、同社（食べチョク）が担当することで、これまで自治体の管理工数の兼ね合いで取り扱いが難しかった生鮮食品を出品したい生産者や、在庫数が少ない小規模の生産者もふるさと納税に参加できるようになる。

　令和4年度のふるさと納税の納税額は約9654億円。毎年20％増で成長しており、ふるさと納税の市場規模は今後も拡大することが予想されている。

　一方、市場が大きくなると同時に、ポイント還元率での競争が激化しており、ふるさと納税の原点である「応援したい地域への納税」からかけ離れてしまっていることが課題にもなっている。

　今回、食べチョク上でふるさと納税が可能になることで、ふるさと納税の原点である愛着を持った寄付を促し、生産者と地域を知ることで応援したい地域に継続的に納税する流れを作り、現在の業界課題となっているポイント還元や返礼品競争からの脱却を目指す。

　食べチョクでは、全国約9000軒の生産者が登録しているという。返礼品には、温州みかんの木を1本1年間所有できる「【1年間オーナー権】温州みかんの木（1本）から収穫された成果物を全てお届け！」（清水果樹園（熊本県宇城市）、寄付金額：13万9000円）。

　あまおとめ5株を1年間契約で所有できる「【1年間オーナー権】あまおとめ5株から収穫された成果物を全てお届け！」（NAGATA FARM（熊本県宇城市）、寄付金額：10万7000円）、キングサーモンとニジマスを交配した「富士の介」のカットフィレ2枚セット「お刺身で食べられる「富士の介」カットフィレ」（富士ジネンテックファーム（山梨県北杜市）、寄付金額：1万2000円）。

　さらには、仕留めてから1時間以内に処理し冷蔵庫で熟成後、急速冷凍した「但馬鹿 内モモ」（但馬のジビエ ココ鹿（兵庫県 朝来市）、寄付金額：1万3000円）などを用意する。

　利用するには、食べチョクの商品ページでふるさと納税を選択。「寄付手続きをする」をタップして行う。なお、現在は、ウェブ版のみの提供となる。

　また、初めての利用で1万円以上の返礼品を選ぶと、1000円分の食べチョククーポンが受け取れるリリース記念キャンペーンを実施中だ（10月31日23時59分まで）。