NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は9月21日、AIにより早期に認知機能の低下状態を確認できる「脳の健康チェックplus」の有償トライアルを開始した。
厚生労働省によると、2025年には高齢者の5人に1人、国民の17人に1人が認知症になるとの予測があり、認知症の予備群とされる軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)は、日本に400万人ほどいるという。その一方で、MCIから認知症に移行するのは1年で約5から15%とし、適切な予防策を講じることで、約16から41%の人は、正常レベルに回復するとしている。
NTT Comは、MCIの状態を早期に発見し、適切な対応や行動変容を促すことが重要とし、2022年9月より、20秒程度の通話でAIが認知機能の低下を確認するサービス「脳の健康チェックフリーダイヤル」を提供していた。今回、より早期かつ詳細に認知機能の低下状態を確認できる新たなサービスとして、6分程度の通話で判別が可能な、脳の健康チェックplusの有償トライアルを開始する。
脳の健康チェックplusは、NTT Comと日本テクトシステムズが共同開発した認知機能みまもりAI「M-KENSA」を利用している。回答発話中の沈黙や声の高さ、時間見当識、即時記憶やワーキングメモリなどをチェックすることで、認知機能の状態を5段階で確認でき、認知症の一歩手前の段階も把握することが可能だ。
脳の健康チェックplusの利用には、「0570-012354」に発信し、ナビダイヤルで携帯電話からの場合約180円、固定電話からの場合約60円の通話料金が発生。本日の日付(西暦何年、何月、何日、何曜日)を発話したのち、4分程度の複数の質問に回答すると、回答内容や話し方からAIが認知機能の状態を判別し、結果をその場でフィードバックする。
NTT Comでは、脳の健康チェックフリーダイヤルおよび今回の脳の健康チェックplusについて、パートナー企業や自治体との連携を予定。パートナー企業や自治体に対して、認知機能の状態を確認するAI機能に加え、専用番号や利用者の履歴管理機能、関連情報を案内するためのSMS機能などを提供する。
今後は、有償トライアルにおける利用率、応答完了率、利用者の年齢層、利用端末、5段階の判別結果などのデータを蓄積し、動向や傾向分析を行うことで、パートナー企業や自治体との新たなビジネスモデルの検討、および社会実装に向けた取り組みを予定している。
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