お金は大事に決まっている。自分や家族の将来のために少しでもお金を増やしたいと思うのは自然なことだ。近年の金融教育の過熱に伴い、投資に興味を持つようになった人も多いことだろう。
投資について調べていくと、「あれを買うべき」「これが必勝法」といった、具体的な投資法を紹介する情報に行き当たる。そうした情報をどれだけ信頼していいのかと考え出すと、なかなか最初の一歩が踏み出せない。
30年以上世界の大手金融機関で投資に携わってきた著者が本書で目指すのは、「お金のそもそも」を説明することだ。収入も価値観も人それぞれである以上、最適な投資先は自分の状況に合わせて判断するしかない。だったら、お金のリテラシーを身につけることが必須だ。
本書の魅力は、なんといってもわかりやすいことにある。語り口はやさしく、押さえておきたい本質的な内容をしっかりと理解しながら読み進めることができる。中立的な立場から、正しい投資方法、おすすめできない投資方法について具体的な解説があるのもありがたい。
「正しい投資法」自体は定番というべき方法だが、本書を読み終えた後には、それがなぜ「正しい」と言えるのか、一段高い解像度で理解できるようになっていることだろう。自分や家族の大切なお金を守りたい、お金を少しでも増やしたいという方に本書をおすすめしたい。お金について正しい判断ができるようになるための基礎知識を身につけさせてくれる。
今回ご紹介した「お金以前」の要約記事はこちら。この記事は、ビジネスパーソンのスキルや知識アップに役立つ“今読むべき本”を厳選し、要約してアプリやネットで伝える「flier(フライヤー)」からの転載になります。
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